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ゼネコンも余剰職員はいないはず!
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日本は日毎、夜ごと、「綺麗で楽な、時間給が高い仕事」でなければ求職募集をしても応募者がいない。特に現場に係る交通警備に至っては「辞めるものはいても、応募してくるものはいない」と言うのが現状である。業者の数は増えても、警備従業員の数は増えていない。現在働いているものの多くは、60代以上の者ばかりだろう。
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6月8日付けで各自治体の入札課に対し、総務省や国交省から「交通誘導員の円滑な確保について」と題し通知がされた。簡単に言えば、警備業の所属従事者が不足しすぎているから、これからは「元請建設企業の社員による“自家警備”をしても良いですよ」という有難い通達なのである。
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警備業界にとっては青天の霹靂。スーパーも、大手も、中堅も、地場ゼネコンも「社員に余剰人員などない」にもかかわらず、人を採用してでも自前で賄えというのだ。“自家警備”に踏み切るとしても、人員不足のところは、求人募集から始めなくてはならないなど、余計な業務が増えるし、社保に掛る経費も馬鹿にならない。
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霞が関の思いつきで方向転換する建設業も、ますます人員が不足する警備業も、役所の言うとおりの方向に進めないのは事実だ。“自家警備”なら指定路線における1級2級の検定警備員はいらないという。警備業界はブーブーだ。人を確保せと言うが潜在的に人が居ないのに、通達を守れるだろうか。泥縄行政の「みほん」である。
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警備保障タイムズ8月1日号に以下のような記事が出た。
「自家警備」問題 国交省、警察庁が補足通知へ2017.8.1
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【警議連の会合で説明】
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「警備業の更なる発展を応援する議員連盟(警議連)」(会長=竹本直一衆院議員)は7月28日、衆院第2議員会館で会合を開いた。6月8日に国土交通省が自治体や建設業団体などに行った通知「交通誘導員の円滑な確保について」で示した“自家警備”が、警備業界に波紋を広げていることから、国交省と警察庁に同通知について説明を求めた。
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国土交通省の青木由行・建設流通政策審議官は、通知の背景や内容を説明した。通知の中で示した“自家警備”については、「警備業界に不安の声が上がっていることは、業界新聞などで承知している。通知文には舌足らずの部分もあり反省している」と述べ、交通誘導員不足が顕在化または懸念される場合の対策という通知本来の主旨が伝わるよう、「補足文書」を出すことを明らかにした。
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警察庁の小田部耕治・長官官房審議官(生活安全局担当)も、「自家警備は、警備業者が交通誘導警備員不足で業務を受注できない際に、工事での安全上支障のない場合に限定した“やむを得ない”ときの例外的な措置」と述べ、国交省同様、補足の通知を出すことを明らかにした。
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会合に出席した全国警備業協会の福島克臣専務理事は両省庁の説明を受け、「(6月8日の国交省の)突然の通知に戸惑っている」とし、交通誘導警備業務に関する警備業界の考え方として(1)交通誘導警備業務の社会性(2)警備員の専門性(3)交通誘導員対策協議会の協議事項(4)中央レベルでの検討の必要性――の4点について見解を述べた。
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交通誘導警備業務の社会性については、「交通誘導警備業務の与える影響は、クライアント(発注者)だけにとどまらず、一般交通を利用する全ての人に関わる。多くの労災も交通誘導警備業務中に発生し危険な業務だ」と指摘した。
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警備員の専門性については、警備員になるには警備業法で「未成年者でない」「一定の犯罪歴がない」など各種制限があること、警備員には国家資格者の警備員指導教育責任者から継続的な教育が必要など、警備員の要件や教育体制などを説明。「自家警備で軽々に交通誘導ができるのか」と疑問を呈した。
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交通誘導員の確保について検討するために、関係者で設置することを求めた「交通誘導員対策協議会」の協議事項については、「自家警備を行うための条件整理のみがテーマとなっている」と指摘、「警備業者の約70%が交通誘導警備業務を行っている。自家警備は、これら警備業者のビジネスチャンスを奪うもの」と疑念を述べた。
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中央レベルでの検討の必要性については、「協議会は各地域で検討するものとしているが、大原則については中央レベルで検討した上で地方に示さないといけない」と訴えた。
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警議連会長代理の礒崎陽輔参院議員は「通知には曖昧な部分が多く、警備業界に不安が広がるのは当然」と、通知に不満を表明した。
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業界団体や役所がどう言おうが、警備業務は分離発注し、人件費が中心なのだから積算も大幅に値上げすることが必要だろう。
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【国交省 通知】