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対ドルで3カ月強ぶり高値!
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基準値見直し管理強化の懸念!
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中国当局が人民元取引の指標となる基準値の見直し作業に着手したことを受けて、元相場が急速に上昇している。基準値の算出方法は不透明な部分が多く、「元防衛を強める当局の意向がこれまで以上に反映されるのでは」との疑心暗鬼によって為替市場に動揺が広がっている。
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中国人民銀行(中央銀行)は毎朝、前日の市場の動きなどを参考に基準値を公表しており、この上下2%の範囲内に限り、人民元の値動きを認めている。6月1日の対ドル基準値は1ドル=6・8090元と、昨年11月10日以来約7カ月ぶりの元高水準に設定された。市場ではさらに元買い・ドル売りが進み、一時は1ドル=6.8元を突破する場面もあった。
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市場の動揺のきっかけは中国の連休入り直前の5月26日、外国為替市場を取り仕切る中国外貨取引センターが、人民元の過度な変動を抑制する新たな基準値の算出方法を人民銀が検討していると明らかにしたことだ。
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中国当局は国内資産の海外流出につながる元安の加速を警戒しており、大規模な為替介入や厳しい資金移動規制を通じて人民元相場のコントロールを強めてきた。米国の再利上げが迫り、元安圧力が増す中での基準値見直しは「人民元の管理強化が目的」(アナリスト)との見方が強い。中国当局の元高誘導を見込み、為替市場では元が買われやすい状況が続いている。
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5月26日、上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで続伸し、3カ月強ぶりの高値を付けた。元直物は1ドル=6.8605元で寄り付いた後、6.8493元まで上昇。2月16日以来の高値を付けた。0145GMT(日本時間午前10時45分)時点では175ピップ上昇の6.8530元。26日の基準値(6.8698元)比では0.24%高。
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5月31日の上海外国為替市場で人民元相場は対米ドルで大幅に3日続伸している。16時30分時点は1米ドル=6.8210元と、前営業日である26日の同時点(6.8610元)に比べ0.0400元の元高・ドル安水準で推移している。午後には一時、6.8188元と2016年11月14日以来約6カ月半ぶりの高値に上昇する場面があった。
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6月1日の上海外国為替市場で、人民元の対米ドル相場は4日続伸した。16時30分時点では1ドル=6.8061元と、前日の同時点に比べ0.0149元の元高・ドル安で推移している。中国当局が人民元相場を元高・ドル安方向に誘導しているとの見方が引き続き買い材料になり、一時は6.7878元と2016年11月9日以来ほぼ7カ月ぶりの元高水準を付けた。
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