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「加計学園ありき」の獣医学部新設!
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工事着手・大本組とアイサワ工業で!
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加計学園が来年4月に愛媛県今治市に開学する獣医学部は、岡山理科大の七つ目の学部となる。キャンパス用地16.7ha(約37億円相当)は市が無償譲渡し、総事業費192億円のうち最大96億円を市と県が負担する。
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獣医師養成系の大学は全国で16あり、定員は計930人。獣医師の「質の確保」を理由に国は大学設置や定員増を制限しており、獣医学部は北里大(東京)が1966年に青森県に開学したのを最後に、半世紀にわたって新設されていない。
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愛媛県と今治市は、同学園の獣医学部の誘致でまちを活性化させようと、特区の導入を国に提案した。政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)は今治市などを特区に指定し、獣医師系養成学部の新設が可能になった。
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安倍晋三首相は13日の参院予算委員会で、友人が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」が、愛媛県今治市で大学獣医学部を新設することの説明を求められ、「私が友人だから政治的な力を加えたかのような質問だ。何もなかった場合、責任を取れるのか」と、激怒した。質問した社民党の福島瑞穂議員は、「16年だけで7回食事している」と、首相と理事長の親密な関係を指摘。首相は「友人だから食事もする。働き掛けがあったら責任を取る」と述べた。
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安倍首相の40年来の「心の友」、加計孝太郎氏が運営する学校法人「加計学園」に、なぜか今治市から広大な市有地が無料で譲渡された一件は、国会でも取りあげられはじめた。
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「『タオルと造船の町』に獣医学部……。つながりがさっぱり分からないね」――。
岡山市の「加計学園」が運営する岡山理科大の獣医学部新設用地として、およそ36億円の市有地を「無償譲渡」する今治市。突然、決まった大学設置に対し、首をひねる市民は少なくない。
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確かに市は1970年代から、大学誘致を模索していた。2000年代初めには、進出候補の具体的な名前に「松山大学」(松山市)が挙がった。しかし、「松山大学」の話は頓挫し、代わって07年ごろから、進出に強い意欲を示していたのが「加計学園」だった。元市議がこう明かす。
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「市は全国の学校法人に進出を打診したが、うまくいかず、造成した土地の塩漬けもやむを得ない――と諦めていた時に現れたのが『加計学園』だ。市の当時の説明では、『獣医学部は10倍以上の競争率があり、学生が集まりやすい』でした」
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市は、構造改革特区を利用して国に獣医学部の誘致を認めるよう15回も申請。しかし、日本獣医師会が「現状で獣医師は充足している」と反対を唱えたほか、国も「獣医師の供給不足は起きていない」(08年3月)と、ことごとく却下してきた。
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そんな状況が一変したのが安倍政権の登場だ。16年1月、安倍政権は広島県と一体で今治市を国家戦略特区に指定。さらに、11月の国家戦略特区諮問会議で、安倍首相が「広域的に獣医師を養成する大学の存在しない地域に限り、獣医学部の設置を可能とするための関係制度の改正を直ちに行う」とぶち上げたのだ。前出の市議は、ここに「カラクリがある」と言い、こう続ける。
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「『国は事業者を公募した』と説明しているが、すべての条件をクリアできる学校法人は事実上、以前から今治進出に積極姿勢だった『加計学園』しかありませんでした。
そもそも、事業者の公募は、今年1月4日に告示され、締め切りは1月11日でした。わずか10日足らずですよ。他の学校法人が手を挙げられるはずがありません」
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つまり、安倍首相のツルの一声がきっかけで、“お友達”の学校法人は広大な公有地をタダで手に入れることになったということだ。
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<加計学園・今治キャンパス着工>