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博多陥没事故・中国人にとっては復旧は朝飯前!
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カンボジアが批判・工事の「質が低すぎる」!
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11月8日に発生した博多陥没事故の復旧作業が15日に完了し、通行止めとなっていた道路が開通した。復旧完了までわずか1週間という速さは世界各国で大きな注目を集めたが、中国メディアの観察者網は17日、福岡のスピード突貫工事は世界を驚かせたが、中国では驚くことではないと主張する記事を掲載した。
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今回の事故で生じた陥没は、長さ約30m、深さ約15mという大きなものだった。しかし、事故の6日後には穴が埋め戻され、上下水道、電気、ガス、通信がすべて回復し、1週間後には交通が再開された。
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記事は、この突貫工事が海外メディアから称賛され、「日本のネットユーザーは照れくさいようだ」とする一方で、「日本人は調子に乗らないように。大中国の建設速度と比較すれば、さほど大したことではない」と主張した。
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例えば湖南省長沙市で、2016年1月にはわずか10時間で74mのコンクリート大橋を完成させたことや、北京では15年11月18日に三元橋の架け替え工事を43時間で完了していると紹介。交通量の多い大都市の中心部で重さ1350トンの橋梁を一括で架け替えるという難しいプロジェクトだったが、「橋梁架設の新たな国際的モデルを創り出した」と胸を張った。
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さらに長沙市では中国企業が57階建ての高層ビルを19日で建てるという「神話」も達成していると主張し、この建設プロジェクトは当時、「欧米では最初ガセネタだと思われた」ほどだと紹介。福岡の復旧工事など中国人にとっては朝飯前だと言わんばかりだ。
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中国では手抜き工事が大きな問題になっているものの、中国の建設技術は世界に認められているとも主張。FIDIC(国際コンサルティング・エンジニア連盟)で数々の賞を獲得しており、海外からも地下鉄車両やダム、橋の建設などの受注が相次いでいて「中国の建設は早くて質が良い」と主張した。
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とはいえ、最後には福岡の復旧作業を評価し、「主役は復旧に携わった作業員だ」と称賛した。記事は中国の工事速度について自画自賛しているが、確かに中国の建設、建築の速度は目を見張るものがある。だが、その質については疑問符を付けざるを得ないのではないだろうか。
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中国メディアの環球網は11月11日、カンボジアメディアの報道を引用し、カンボジア公共事業運輸省のスン・チャントル大臣が「中国企業が工事を行った道路は質が低すぎる」と批判したことを紹介した。
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中国製品といえば今なお「安かろう悪かろう」というイメージが一般的だろう。このイメージを体現した道路は、中国企業がカンボジア国内で工事を請け負って施工したものだ。
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カンボジア公共事業運輸省がこのほどFacebook上に、スン大臣の動画を掲載したことを紹介。スン大臣は動画で「完成して数カ月しか経過していないにもかかわらず、路面の陥没やアスファルトの剥離が見られる道路がある」、「工事を請け負った企業に対する信頼が失われつつある」と批判したという。
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スン大臣は工事を請け負った中国企業の社名については直接言及しなかったものの、同じ中国企業が工事を請け負った別の道路についてもスン大臣が「品質が基準に達していない」と批判していることを紹介した。
記事は、スン大臣に批判された中国企業の関係者が「批判された道路はまだ完成していない」と反論したうえで、「日本企業が工事を請け負えば、中国企業の2-3倍は費用がかかる」と主張したことを指摘。それだけ中国企業の建設コストは「安い」と主張する一方、「中国企業は決して手抜き工事を行っているわけではない」と反発していることを伝えている。
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中国企業による建設工事が「格安」なのは否定しないが、安さが評価されるのは一定の品質が担保されていることが前提だ。品質に対して相対的に価格が安ければ評価の対象となるが、価格が安くても品質が低ければ、それはやはり「安かろう悪かろう」として批判の対象になりかねないものだ。
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