希土類・スカンジウム:南鳥島沖に大鉱床!

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1kg54万円のレアアース・15万トン!
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世界の年間需要の約9900倍!
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次世代の燃料電池や合金への利用が見込まれるレアアース(希土類)の一種スカンジウムが小笠原諸島・南鳥島沖の海底から採取した泥に豊富に含まれることを、東京大の加藤泰浩教授らの研究グループが確かめた。
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10月28日午後に同大で開かれる報告会で公表する。推計資源量(酸化物量)は約15万トンで、現在の世界の年間需要の約9900倍に相当するという。
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スカンジウムは中国やロシアなどの限られた鉱山でしか採掘していない。

価格水準は1kgあたり約5100ドル(約54万円)と高価で、安定した供給が課題となっており、日本企業が新たな陸の採掘事業に乗り出したり、米国の資源会社が太平洋の深海から回収する計画を打ち出したりしている。
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日本でも、レアアースを使わない技術の開発を進めている。
中国のポータルサイト・今日頭条はホンダがレアアース不使用のハイブリッド車用モーターを開発したことを伝えた。
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レアアースとモーターは切っても切れない関係で、不可欠であった。しかし、ホンダは重希土類のレアアースを使わない磁石を使ったハイブリッド車用のモーターを開発した。記事は、中国のレアアース業界にとっては多少のダメージになるものの、決して悪いことではないと主張。資源型の経済はいつか新技術によって淘汰されるものであり、企業にとっては転換点になるとした。
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ホンダは7月12日、大同特殊鋼株式会社とともに「重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石」を世界で初めて実用化し、ハイブリッド車(HV)用駆動モーターとして新型「FREED」に採用すると発表したが、これは重希土類を使用しない磁石の開発成功という非常に画期的な出来事だ。
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従来のハイブリッド車のモーターにはジスプロシウムなどの重希土類が使用されているが、ジスプロシウムの生産量は中国がシェアの多くを占める重希土類であり、過去には価格が高騰するなど調達面での問題も生じていた。
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中国メディアの今日頭条は13日、ホンダが発表した重希土類完全フリーのHV用モーターについて、「中国に往復ビンタを食らわす」、画期的な発明であることを伝えている。
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記事は「資源型経済は最後には必ず科学技術型経済によって淘汰される」と主張。中国はレアアース分野において、資源大国として「資源型経済」を構築してきたが、単にレアアースを採掘し、精製して輸出するだけの構造は「科学技術型経済により未来を切り開こうとする日本によって淘汰される」という見方を示した。
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重希土類完全フリーモーターはコスト面でも従来のモーターに比べて「1割程度下がる見通し」であり、重希土類を使用しないことによってコストは安くなる見通しだ。ホンダは重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石を順次新型車に適用を拡大していく方針を示しており、それだけ中国産レアアースへの依存が減ることを意味している。
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中国はこれまでレアアースを戦略資源として見なしてきたが、記事が重希土類を使用しない磁石の開発について「中国に往復ビンタを食らわす」発明であると指摘したのは、技術の進歩によってその戦略性が崩れる可能性も排除できないためだ。
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中国工業情報化省(MIIT)は10月18日、レアアース(希土類)の生産量を2020年まで年間14万トン以下に制限する方針を明らかにした。製錬・分離の上限も同年まで、15年時点の30万トンから20万トンに引き下げる。
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同時に、違法な採掘活動を取り締まることも示唆した。
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中国は世界のレアアースの90%以上を産出する。業界の取り締まりを進めており、厳しい生産制限を課すとともに採掘を大手国有企業に統合することを目指している。政府は今後、中国アルミ(チャルコ)や中国五鉱集団などの大手6社以外に採掘許可を出さない方針だ。
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