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南北線で初の施工者決定!
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国土交通省関東地方整備局が進める東京港の臨港道路「南北線」の建設事業に関し、同港の第2航路を横切る海底トンネルの施工者第1号が2016年4月8日に決まった。南北線は、同港の中央防波堤内側・外側地区と海を隔てた北側の10号地(その2地区)とを結ぶ延長2.5kmの新路線。今回、施工者が決まったのは、同地整が1月に公告した4件の工事。
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大規模コンテナ埠頭などの開発が進む中央防波堤では東西方向に東京港臨海道路が貫いているが、臨海副都心側と接続する南北軸の動線は現在、青海地区とつながる青海縦貫道のみ。有明地区から臨海道路に直交する南北線を整備することで、混雑緩和や利便性向上につながるとともに、020年の東京五輪で関連施設が集積する臨海部内でルート選択の幅を広げる役割も期待されている。
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南北線は同港の第2航路に7分割した沈埋函を沈めて海底トンネルを設ける。海底トンネル部分の延長は約930mで、両端はニューマチックケーソンの岸壁に接続する形で中央防波堤と10号地につなげる。陸側はそれぞれ開削トンネルとして造る。総事業費は1100億円。
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落札者が決まった工事は、
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①「東京港臨港道路南北線沈埋函(2号函・3号函)製作・築造工事」。2函の沈埋函を製作して据え付ける。東亜建設工業・鹿島・若築建設JVが77億5000万円(税抜き)で落札した。五洋建設・東洋建設・新日鉄住金エンジニアリングJVも同額で入札したが、東亜建設工業JVが技術提案に対する評価で上回った。2016年度に着工し、工期は2019年3月までだ。
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②「東京港臨港道路南北線10号地その2地区接続部および沈埋函(7号函)製作・築造工事」
58億0600万円で大成建設・五洋建設・大豊建設特定JV
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.③「東京港臨港道路南北線中央防波堤内側地区接続部及び沈埋函(1号函)製作・築造工事」
73億4500万円で鹿島・東亜建設工業・あおみ建設特定JV
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④「東京港臨港道路南北線10号地その2地区陸上トンネル築造工事」
35億8700万円で大林組・日本国土開発・株木建設JV、飛島・西松JV
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これらの工事も、工期は2019年3月までだ。
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海底トンネルの建設に必要な沈埋函の工事は、4号函から6号函までの3函分残っている。同地整は4月12日時点でこれらの発注予定は明らかにしていないが、東京五輪の開催を視野に、先行発注分と大幅に前後しない時期の全体完成を目指すとみられる。
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