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自民党内は勝手な発言!
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野党への揺さぶりか・本気度は!
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前回の(衆院)選挙で、リーマン・ショック並みのことがない限り、私たちは消費税(10%)を来年4月にやるということを約束して、勝たせてもらった。消費税を3%上げた時に個人消費がガクンと落ち込んで、それがなかなか戻らない状況だ。そういったことや世界情勢の動向を見ながら、消費税の問題をしっかりと決めていかないといけない。
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アベノミクスにとっても、参院選を絶対に勝つという意味においても今年は正念場の年。もっと言うと、いつ何時、衆院選があるかもわからない。どういうことが起きるかわからないということを念頭に置いて、準備をしてもらいたい。(甲府市であった自民党山梨県連での会合で)
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2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げ先送り論が政府・与党内でも公然化してきた。安倍晋三首相が増税に前向き、後ろ向きな発言を使い分けてけむに巻くうちに、夏の参院選と合わせて衆院選を行う同日選の観測とも絡んで、火消しは難しくなりつつある。
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首相は18日の参院予算委員会で「経済成長なくして財政健全化なし。(増税して)経済が失速しては元も子もない」と述べた半面、「リーマン・ショック、大震災級の事態にならない限り、予定通り引き上げる」と重ねて表明した。「分析会合は増税延期を掲げて衆院を解散する布石ではないか」という社民党の吉田忠智党首の質問には「まったく考えていない」と否定した。
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首相は14年11月、増税延期と衆院解散を表明した記者会見で「再延期はない。ここではっきり断言する。17年4月の引き上げは確実に実施する」と言い切った経緯があり、再延期にはそれなりの理由が必要になる。
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そこで首相が見すえるのが5月の伊勢志摩サミットだ。スティグリッツ米コロンビア大教授は16日の分析会合で世界経済を「大低迷」と表現し、「各国の需要創出は世界に好影響を与える。日本が議長国としてリーダーシップを発揮することを期待する」と提言した。サミットで各国から同様の意見が出れば、増税延期と財政出動に国際的な「お墨付き」を得たことになるという読みだ。
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首相の経済ブレーンを務める浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与が最近、増税延期の発信を強めていることも臆測を広げる一因になっている。
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しかし、政府・与党内には先送りに慎重な意見も根強い。自民党の谷垣禎一幹事長は18日の記者会見で「財政規律が大事だという議論もあるのではないか」と指摘。麻生太郎副総理兼財務相は会見で、「増税先送り検討」という一部報道に「いかにも政府が言っているような話に書き換えている。あまり上品なやり方じゃねえから、やめた方がいい」と不快感を示した。
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政府中枢が幾ら否定しても、衆参同日選とセットになった増税延期論は簡単に収まりそうにない。安倍首相は17日、日本商工会議所の会合で「今年は私どもにとって大切な年になる。中身はあえて言わないが、だいたい想像がつくと思う」と思わせぶりにあいさつし、出席者を驚かせた。
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二階俊博総務会長は18日、「同日選に備えるのは政治をやっている者として当然。首相は毎日毎日、夜寝るときも朝起きるときも『いつごろ解散したらいいか』と考えておられるはずだ」と記者団に語った。
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野党は消費増税の先送りに警戒を強めている。増税延期を理由にした2014年12月の衆院選で大敗した苦い経験があり、民主党の細野豪志政調会長は18日、BS朝日の番組収録で「安倍政権は来年4月までに経済をよくすると言っていたが、先延ばしなら完全に(アベノミクスの)失敗を認めることになる」とけん制した。
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延期そのものを野党が選挙で批判するのは難しく、代わりにアベノミクスをやり玉に挙げるしかないのが実情だ。共産党の小池晃政策委員長も18日の記者会見で「消費増税が経済に大打撃を与え、大企業も軒並み賃上げがうまくいかない。アベノミクス不況だ。増税を撤回するならアベノミクスの失敗、自分の責任をしっかり認めるべきだ」と強調した。
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民主、維新、共産、社民、生活の野党5党は改選「1人区」で統一候補を模索中なのだが、もし衆参同日選になれば、人のことよりも自党の選挙準備に追われ、それどころでなくなる。
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今のところ、消費税を実行するか、延期するか。安倍内閣は「もてあそんでいるのか」「真剣に悩んでいるのか」判断に苦しむところもある。
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