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実名で申告したにもかかわらず!
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宮城県発注の大崎地方の測量業務の指名競争入札で、参加業者が実名で談合情報を申告したのに県が不問としていた問題を巡り、県が取った誓約書でもこの業者が一部の談合を認めたままだったことが6月30日分かり、県も認めた。誓約書は業者に談合していないことを誓わせる書面だが、県は不正の疑いを残しつつ、不問とする結論を導いており、談合排除をうたう県の姿勢が疑問視されている。
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談合情報があったのは、昨年12月15~22日に実施された県北部土木事務所(大崎市)発注の測量業務の入札で、大崎市や加美町が現場の計4件。複数の関係者によると、談合情報は県出納局契約課宛ての文書で、落札予定順のほか、行政からの価格漏えいの手法などが記されていたという。
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同事務所は今年1月4日に公正入札調査委員会を設置し、同20日までに計5回開催。参加13社の事情聴取を実施した。同事務所によると、最終的に全13社から誓約書の提出を受けた。12社は4件とも談合を否定したが、1社が1件の談合を認めたままだったという。
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この1件は落札率が94.6%と最も高かった加美町の道路測量業務とみられ、一部の入札価格がそろうなど談合が疑われる典型的なケースだった。参加13社のうち7社が大崎市の業者で、うち5社は本年度の同市の入札で頻発している応札下限の「最低制限価格」での落札実績がある。
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一般的に談合情報は、談合の枠組みが崩れたり、特定業者が排除されたりした際に寄せられる。当時の事情を知るという関係者の一人は「少なくとも(談合の疑いを否定できなかった)あの1件はやり直すべきだった。県が談合問題に毅然と対応していれば、特定業者をいじめるような大崎市の異常な事態は招かなったはずだ」と憤る。
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4件とも不問とした決定について、同事務所の担当者は「相当の理由があるが、情報公開上の制約がある」などとして明確な説明をしていない。
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県は何を隠そうとしているのか。
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