.
今夏めどに始動!
.
買取・1kg当たり8~10円!
.
.
熊本県南関町の民間企業が、今夏をめどに竹の買い取りを始める。タケノコ生産量全国3位の同県で、同町は有数の大産地。間引いた竹の大量処分に困っていた農家にとって、竹が収入に代わることから注目を集めている。管内の「JAたまな」も取り組みを歓迎。生産部会に声掛けするなどして周知を図っている。
.
事業を手掛けるのは、同町にある建設会社が設立した「バンブーフロンティア」。同社が設ける受け入れ拠点に生産者が竹を持ち込むと、1kg当たり8~10円で買い取る仕組みだ。集めた竹は、グループ会社で加工して建材にする他、バイオマス(生物由来資源)発電の燃料としても利用する。
.
同社は2016年11月から同町の住民限定で実証実験を始めた。週3回設けた受付日には、軽トラックに竹を積み込んだ農家が朝から押し寄せる。
.
年間20トンのタケノコを出荷する平明弘さん(26)は2月下旬、竹を約300kgを持ち込み、その場で現金3000円を受け取った。「野焼きしたり、粉砕機にかけたり、処分に時間と手間がかかっていた。引き取り先ができ、作業はかなり楽になった」と喜ぶ。
.
JAたまな北部集荷センターたけのこ部会の山口勲部会長も持ち込む生産者の一人。高品質なタケノコを栽培するには、親となる竹の数を絞り込む必要がある。大量の竹を間引くが、有効な処分方法がなく、面積拡大に二の足を踏む農家も多かった。山口部会長は「この事業をきっかけに増産に意欲を見せている仲間もいる」と歓迎する。
.
農家に限らず竹林所有者なら誰でも利用できることから「土砂災害などの危険がある、放置竹林の削減につながる」(同町経済課)と期待する。
.
同社によると、2月までに集まった竹は300トンに上る。「事業を通して地域の課題解決に寄与していきたい」と意気込む。今後は県内外にも拠点を設け、受け入れ先を拡大していく方針だ。
.