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奥野現会長は立候補できず!
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守旧派が台頭するのか!
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1月、2月には衆院解散かとマスコミを賑わしてきたが、いまは解散の二文字は完全に消え。これも、トランプ大統領就任の影響なのかもしれない。2月10日からの日米首脳会談(中身は別として)はトランプ暴言もなく、まずは一安心だったろう。
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最近、全国農業協同組合中央会(JA全中)の記事が一時期より少なくなってきた。その代り、改革が進むのか、戻るのか、今年8月のJA全中の会長選はどうなるのかの関心がちらほらと記事になってきた。
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2015年4月9日、TPPや農協改革で安倍政権と対立していたJA全中の萬歳章会長が突然の辞任発表をした。会長3年任期の2年を残しててである。4月8日、全農が新年度の事業計画を説明する場でJA全農成清一臣理事長が「近々に株式会社化を検討することはしない」と発言したのである。7日には萬歳会長が官邸で安倍晋三首相や菅官房長官と会っている。それは、農協改革法案が4月3日。国会に提出されたのを受けて、JA全中として農協改革の実行を約束するためだった。全中萬歳章会長の改革に対し、農林中央金庫、JA全農、JA共済連など連合会と全国に694ある農協が反旗を翻したのだ。
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この辞任劇の後、新JA全中の会長選が行われ、JA三重中央会会長の奥野長衛氏(68歳)が、JA和歌山中央会の中家徹会長(65歳)との一騎打ちを制し、次期会長の内定を決めた。会長任期は万歳会長の残余2年で、2019年8月には会長選が行われる。会長選には縛りがあり、「就任時70歳未満」という規則のため、奥野会長は70歳となり再選の対象外なのだ。
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奥野会長は改革を訴え当選したので改革派と目され、会長就任と同時にTPPや農協改革に批判的な幹部を更迭、安倍政権の意向に沿った形で「政権との対話路線」を進めてきた。
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安倍政権の要求する改革が少しは緩やかになるかと思っていたら、従来通りJA改革への圧力をかけ続けており、政府とJAの調整役となるべき小泉進次郎・農林部会長が政府側の推進役となり改革を進める過激な「農林水産業骨太方針」を基本とする改革プログラムを提示し、交渉を重ねたが、農林族の顔を立てるために最初から取り混ぜていた「付け加え」の枝葉をカットし、大幅な修正を加えたが、政府の筋書き通りの内容で落ち着いた。
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このことで、奥野会長の対話路線は生ぬるいと全国の地域農協から批判が続出し、今では求心力はゼロに等しい。逆に、抵抗派のJA全農の中野吉實(JA佐賀中央会)の評価が高くなるという皮肉な結果となっている。
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つづく
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