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2006年のGDPは274兆円!
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2016年のGDPは1120兆円!
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日本のGDPは504兆円!
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中国経済が減速しているのは間違いない。中国のGDPは、1990年以降7%前後で推移し、李克強首相は「中国の経済状況が新常態(ニューノーマル)に入った」と位置付けた。習近平が最初に「新常態」という言葉を使ったのは2014年5月の河南視察旅行中の発言だ。
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新常態の理念について、具体的に説明されたのは2014年11月のAPEC商工サミットでの「発展の持久を求め、アジア太平洋の夢をともに築こう」という演説の中で、「新常態は中国のさらなる発展のチャンスをもたらすものなのだ」と発言。かいつまんで言うと「停滞しつつある中国経済に対しての構造改革」を示したもの。
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新常態の6つの特徴とは、
【1】高速成長から中高速成長への転換
【2】経済構造の不断のレベルアップ
【3】経済の牽引力を投資駆動からイノベーション駆動へ転換
【4】中国経済の新常態の出現
【5】中国政治の新常態の出現
【6】中国社会建設の新常態の出現、とした。
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しかし、このニューノーマルは上手くいっていないというのが、世界経済の中での評価である。しかし、中国の経済成長は、前例のないレベルまで停滞しているのだろうか。
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経済成長とは、前年からどれくらい経済が成長したかをパーセントで示すGDPの数字が物語る。
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中国のGDP成長率はこの数年下がり続けているが、測定の基準となる母数は年々大きくなっている。だから2016年にGDP成長率を1%増やすためには、2015年の1%以上の生産をしなければならない。ただ、10年~15年前の1%を、今の1%と比較することはできない。
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つまり、「ベース効果について言及する必要がある。GDP成長率が6.7%だった2016年と10.1%だった5年前の経済規模の拡大幅はほぼ同じだ。つまり、今年は経済が減速したと言われるが、中国に物やサービスを売る機会の大きさは、5年前と何ら変わっていない」のだ。
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中欧国際工商学院のリチャード・ブルベイカーも同様の見方をする。「6%半ばと聞くと減速したと感じるかもしれないが、経済規模は15年前の倍になっている。経済成長のスピードは前と同じで、ただ母数が大きくなっただけだ」と。
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2006年、中国の名目GDPは2兆7000億ドル(約274兆円)だった。10年後の今年は11兆ドル(約1120兆円)に増えた。実に10年で800兆円以上の成長だ。中国は世界で2番目に大きい経済体の6.7%というのは、やはり大きい数字なのだ。
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ただ、計画経済から市場経済へ移行はしたが、中国独特の「国有企業」と「民営企業」の格差は大きく、相変わらずの統制経済の中の規模拡大であり、共産党による官製再編が進行が進むなかでの「国有企業」が幸せになる制度であるといえる。
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しかし、国土面積と人口の大きさがものをいうのも事実。1億人の人口の日本が、13億人の人口の中国と比較して、GDPが半分というのは中国にとって1人当たりの裕福さでは追いつけないのは百も承知。これから老人大国になる中国、夕日がゆっくり落ちていくような状態にならなければ良いが。
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