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都が条例制定へ!
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施工費・1kmで4億円!
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東京都は、電線を地下に埋設する「無電柱化」を推進するため、都道での電柱の新設禁止を柱とする条例を制定する方針を固めた。既に大阪などの一部では試験的に開始済みだ。
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小池百合子知事は7月の知事選で、防災や景観の観点から無電柱化推進を公約に掲げており、近く素案をまとめて来秋施行を目指す。国土交通省によると、無電柱化を推進する条例の制定は都道府県レベルでは初となる見通し。
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無電柱化は、災害時に電柱が倒れて緊急車両の通行の妨げになるのを防ぐ意味がある。阪神大震災では約8100基の電柱が倒壊。東日本大震災でも約5万6000基が倒れ、災害復旧などに支障をきたした。歩行空間が広がり、景観が良くなるメリットもある。
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新たな都条例では、都道で電柱を新設することを禁止するほか、無電柱化計画の策定などを盛り込む。区市町村が東京五輪・パラリンピックで使用される競技会場周辺の路線や、防災上重要な路線などを無電柱化する場合、手厚い補助制度を設けることを検討する。コスト縮減に向けた技術的支援にも取り組む。
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日本は先進国の中でも無電柱化が非常に遅れている国となっており、歴史的な建築物の周囲に電柱や電線が並んでいる光景は外国人からも評価が悪いと言われている。
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東京の無電柱化には1kmあたり4億円もの費用が必要で、その点の問題が非常に悩ましいところです。電柱を無くすと電線の落下を防げて災害対策にもなるため、早期の整備を期待したいと思います。と小池知事は言う。現在、東京都内には75万4000本以上の電柱があるとされ、東京都内は無電柱化が進められているものの、全国では現在も電柱は増え続けている。
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東京五輪は3会場の計画見直しだけにかまけてはいられない。花形競技のマラソンコースも、IOCから大顰蹙(ひんしゅく)を買いそうなのだ。
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予定コースの一部である千代田区の神保町交差点から水道橋駅までの都道「白山通り」。この700mの区間に並ぶ推定樹齢50~100年のイチョウの樹木約130本のうち、すでに24本が切られ、12月には27本が伐採される予定だ。
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東京都は「該当区間は無電柱化のために、地上の機器設置や地下の空間確保のため、街路樹を切る必要がある。設計を工夫して、最小限の本数の伐採とした」(道路管理部安全施設課)
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電柱ゼロを公約に掲げた小池知事就任前の今年3月から、こマラソンコースのこの区間は約10億円を投じて、無電柱化が進められている。
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「防災が主目的ですが、2~3年前から当該工事区間が五輪のマラソンコースの候補ということは周知されている。五輪のためという一面もあります」(第1建設事務所)
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ここは予定コースの中で唯一電柱が残るエリア。都は小池知事の公約も手伝って、是が非でも無電柱化を進めたい。最小限の樹木の犠牲はやむを得ないと言いたげだが、実はその発想が五輪の理念に反する恐れがある。
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IOCが定める「オリンピックムーブメンツ アジェンダ21」には「スポーツ活動、施設やイベントは、環境保全地域、地方、文化遺産、天然資源など全体を保護しなければならない」とハッキリ書かれてある。樹齢50~100年のイチョウの木は、貴重な文化遺産ないし天然資源ではないのか。
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五輪組織委員会は「道路の整備主体の東京都に聞いてほしい」(戦略広報部)とし、都は「アジェンダ21に合致しているかは、検証していない」(安全施設課)と答えた。
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2年前に環境省が発表した「環境配慮の推進について」には、こんな一文がある。〈前回の東京大会のマラソンコースとして利用された甲州街道には、大会を記念して植えられたケヤキが、50年の時を経て立派な並木に成長し、「オリンピック・レガシー」の一つとなっている〉
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小池知事を筆頭に口を開けば「五輪のレガシー」を切り出す連中だが、自分に都合の良い解釈の時は「レガシー」というが、無関心の時は「邪魔者扱い」にする。習近平ならさだめし「黒い頭の鼠も、白い頭の鼠も悪さをするのは一緒だからみんな纏めて始末する」ということになる。良かったね、中国でなくて。
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