水道管・15年間で老朽化率が17%ポイント上昇!

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人口減少と使用量減による収入減!
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全国で使用されている水道管の約2割が、すでに法定耐用年数である40年を超えているとされている。特に地方自治体では、財源不足や人材の確保が難しい状況が続き、更新が追いつかない地域も少なくない。水道管の老朽化は、漏水や断水、事故などのリスクを高める深刻なインフラ課題である。
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2025年6月現在、全国の水道管のうち約2割、17.6万kmが法定耐用年数の40年を超え、老朽化が深刻な社会問題となっている。多くは昭和30~40年代の高度経済成長期に整備されたものである。しかし、更新率は年間わずか約0.65%と低く、このままのペースでは全ての管路を交換するのに130年以上かかるとされている。
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上水道管が破裂して道路に水があふれている映像を目にした人は少なくないだろう。
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上水道は圧力をかけて上水道管を通して各家庭に配水する。そのため。管が老朽化した場合に、破裂による漏水だ。大規模なものになると、漏水した水が道路にあふれて道路が水浸しになるような事故になる。
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『水道統計』によれば、道路が水浸しになる大規模なものばかりではないが、漏水、濁水など上水道の管路に絡む事故件数は2022年度で1万9766件に上る。下水道の陥没事故よりも頻発している。
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総務省の調査によると、水道施設の耐震化が遅れていると回答した自治体は57%にのぼる。主な原因として挙げられたのが、財源不足や人員不足、工事費の高騰である。また、令和6年3月時点で、水道施設の耐震適合率は全国平均42.3%。災害時の長期断水リスクが懸念されている。
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実際、令和6年1月に発生したの能登半島地震では、耐震化率が全国平均を下回る石川県奥能登地域で水道管の破損が相次ぎ、長期にわたる断水が発生。復旧の遅れにつながる一因となった。
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上水道は高度成長期に普及した。1955年の普及率は36.0%。それが75年に87.6%にまで上昇した。80年には90%を超え、24年3月末には98.3%に達した。
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法定耐用年数は40年と下水道より短い。高度成長期に整備された管は、更新されていなければ耐用年数をとっくに超えている。
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更新されていない管は少なくない。法定耐用年数を超えた管路の管路総延長に対する比率である管路経年化率は07年度末に6.3%だったが22年度末には23.6%にまで上昇した。
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下水道管同様、法定耐用年数を過ぎたからといってすぐに利用できなくなるわけではないが、上記の管路経年化率の推移を見れば分かるように更新が進んでいないことは間違いない。
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人口減少や節水意識の定着により、水道の使用量は減少傾向にある。これに伴い料金収入も落ち込み、水道事業の経営に大きな打撃を与えている。水道事業は、地方公営企業法にもとづき「独立採算制」で運営されており、収入が減っても必要な設備投資や維持管理にかかる費用は変わらない。
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そのため、老朽化対策や更新投資は後回しにされやすく、インフラ維持が困難となる悪循環に陥っている。このような構造的課題は、特に小規模自治体で顕著であり、今後さらに深刻化する恐れがある。
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水道管老朽化問題が深刻化している原因のひとつに、技術職員の高齢化と若手人材の確保難がある。高齢化と人材不足により水道に関わる熟練技術の継承が十分に進まず、結果として、老朽水道管への対応や漏水などのトラブル対応に遅れが生じているのが現状だ。
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特に地方の小規模自治体では、事務系と技術系職員を合わせても2?3人、中には担当者が1人というケースもある。このため、日常の運用管理だけでなく、老朽水道管の点検や更新も十分に行えていないのは無理もない。
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収入減に加え、老朽化した設備の更新費用や耐震化対応には多額の投資が必要となり、これが水道事業の財政を圧迫している。多くの自治体が採用する「独立採算制」は料金収入に大きく依存しており、収入減が経営悪化に直結する構造だ。
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老朽化した水道管の交換には膨大なコストがかかる。水道管の総延長は地球4周分(約16万km)にも及び、その更新には膨大な費用が必要とされている。
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水道管の交換コストは1kmあたり約2億円(都市部)、田舎でも1kmあたり約1億円
このため、全国の水道管をすべて更新するには数十兆円規模の資金が必要となる。
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