ダンプや収集車・荷台の架装物:価格カルテ・公取委が検査!

.
大手2グループ4社に立ち入り!
.
新規参入なく寡占状態!
.
.

.
ダンプカーやごみ収集車などの荷台部分に取り付ける「架装物」を巡って価格カルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は11月12日午前、製造販売大手2社と子会社の2社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査に入った。
.

.
立ち入りを受けたのは、「新明和工業」(兵庫県宝塚市)と子会社の「東邦車輌」(横浜市)、「極東開発工業」(大阪市)と子会社の「日本トレクス」(愛知県豊川市)の4社。親会社の2社は、いずれも東証プライムに上場企業。
.
4社は遅くとも2020年9月以降、ダンプカーやごみ収集車、タンクローリー、トレーラーなど「特装車」と呼ばれる車両の荷台部分に設置する架装物の販売価格について情報交換。担当者が会合で話し合い、取引先の特装車ディーラーや運送事業者、自治体などへの販売価格を引き上げることに合意した疑い。
.
架装物はダンプカーなら可動式の荷台部分、ゴミ収集車ならゴミをプレスして貯蔵する部分のことで、4社はこうした装備の製造のほか、シャシー(車台)に取り付けた特装車の販売も手掛けている
.
架装物の市場規模は、少なくとも1000億円以上とされる。原材料となる鋼材の価格が高騰したことが背景にあるとみられ、値上げによって各社の収益の減少を防ごうとした可能性がある。取引先には「製造コストが増加したため、価格を変更する」などと説明。
.
架装物は土砂や石油を運搬したり、ごみを砕いて圧縮したりするなど用途に応じて多様な種類がある。新明和と極東開発の2グループでシェア(市場占有率)の大半を占め。
.

.
市場には有力なライバル会社や新規参入者が存在しないことから、自由に価格を調整できる状態だった。
.

.
24年3月期の年間売上高は新明和工業が約1518億円、極東開発工業が592億円。新明和工業は2023年9月、機械式駐車場の新設工事を巡る談合の疑いで公取委の立ち入り検査を受けており、今後は2つの容疑で同時に調査を受ける。
.

.
親会社の2社 コメント
「新明和工業」は「公正取引委員会の立ち入り検査を受けているのは事実で、全面的に協力していく所存です」とコメント。
.
「極東開発工業」は「今回のことは厳粛に受け止めています。調査には全面的に協力してまいります」とコメント。
.