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大川隆法総裁へ捜査波及の可能性も!
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宗教法人・幸福の科学を母体とする幸福実現党(大川隆法総裁 釈量子党首)の党本部に8月2日、警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入った。同庁は押収資料から「幸福の科学」の実態解明を進める見通しで、教祖の大川隆法氏へ捜査が進む可能性もでてきた。
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東京都知事選挙では七海ひろこ候補が街頭で支持を表明した人への「ハグ作戦」などで注目された同党だが、その直前の参院選で、幸福実現党公認候補の応援演説の見返りに現金の授受があったとの買収容疑で捜査が入った。
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幸福の科学と幸福実現党は事務所を共用しているほか、教祖の大川氏が党の総裁を兼務。教団幹部のほとんどが党幹部を兼務しており、政教分離が進んでいない。
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退会者など現在の教団の路線に疑問を持つ幸福の科学関係者からは、「よく今までしょっぴかれなかったものだ」という声も聞こえてくる。その理由はというと、「創価学会と公明党は一応、施設は別々にしているが、幸福実現党は宗教施設をそのまま利用したりして、『政教一体』的なところがある。政治献金と植福(幸福の科学でお布施のこと)の境界線も不透明な部分があり、税法からみても問題になりかねない金の流れもあるようだ」
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実際に、強引な教団運営ぶりが裁判で明らかになっている。2015年7月21日には元信者4人が、植福(布施)や教団の納骨壇での永代供養料など計6825万円の返還を求めていた訴訟で教団は2312万円の支払いを命じられ敗訴した。他にも「300万円もする金の像の購入や様々な『祈願』や単行本のノルマなどで多額の金銭的損失をしている人が多い」(幸福の科学元信者)という証言もある。警察当局としても無視できない状態にあったと思われる。
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大川総裁の前妻で、幸福実現党初代党首で総裁補佐というNO2職にあった大川きょう子氏(現木村きょう子氏)は、2011年に教団の内部告発を行った。その際、私の取材に対し、「2011年時点で教団が蓄えている財産は3~4年程度は持つ位はある。しかし、活動信者がドンドン減っているので財政をどの程度維持できるか」と話した。具体的には「幸福実現党結党直後の2009年の衆議院総選挙直後に大量の退会者や活動停止した信者がいた」という。
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同党は家宅捜索に対し、「政治的意図を感じる。断固抗議する」という声明を出している。大川隆法総裁は生前「眠れる予言者」と言われたエドガー・ケイシ―の霊を呼び出したとし、ケイシー氏が「従来は自民党を基本的に支持していた幸福の科学が幸福実現党を結党したせいで保守票を減らした上に、幸福実現党の組織が今後伸びていく脅威から安倍内閣が警察を動かし同党を弾圧するという行動を採ったという『見解』を語った」と述べ、政治陰謀説を間接的に主張している。
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幸福の科学は、大川総裁の生まれ変わりとされる釈迦や、ギリシャ神話の神ヘルメスなどの「霊」の指示で動いており、大川総裁本人については、指示などの関与を立証しずらいとの見方もある。突破口として、これまで暴力団に適用した例がある「使用者責任」をトップに適用するとの観測すらでている。大川総裁は幸福実現党や学校法人・幸福の科学学園、幸福の科学出版社など“幸福の科学グループ”全体の総裁となっているからだ。
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