返還された米軍用地:鉛やヒ素・廃棄物や不発弾で汚染!

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汚染除去に政府155億円支出!
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沖縄県内で返還された米軍用地を巡り、日本政府が汚染土壌や廃棄物などの除去費として、少なくとも約155億円を支出していたことがわかった。引き渡し後に廃棄物などが見つかるケースも相次いでおり、開発が遅れる要因となっている。
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日米地位協定は、米国が返還地の原状回復や補償の義務を負わないと規定。日本政府が跡地利用推進特別措置法に基づき、汚染土壌処理、不発弾・廃棄物撤去などを実施したうえで土地所有者に引き渡している。
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同防衛局によると、除去費は、1995年の法施行(当時は返還特措法)後に全面・一部返還された23か所で計154億7800万円。資料保存年限が過ぎて詳細不明の返還地もあり、さらに多いとみられる。
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内訳は、2015年返還のキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区(約51ha、宜野湾市)が79億8100万円、03年返還のキャンプ桑江の一部(約38ha、北谷町)が17億3200万円など。瑞慶覧では280トン以上の廃棄物、約5500発の不発弾を処分し、桑江では鉛やヒ素の汚染土壌を処理した。除去費が多額だった9か所では、引き渡しに約1年~3年8か月かかった。
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引き渡し後に判明する事例も相次ぐ。沖縄県などによると、16年返還の北部訓練場の一部(東村、国頭村)では鉄板約260枚が確認され、サッカー場となった嘉手納基地の一部(沖縄市)では改修中の13年に大量のドラム缶が出て工事が中断。桑江でも鉛などが次々検出され、区画整理事業の期間を延長した。
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県は「米国にも汚染者としての責任がある」として、日米両政府で除去を実施し、費用負担も協議するよう要請。15年に締結された地位協定の「環境補足協定」に関連して返還の約半年前から可能となった立ち入り調査についても、地元自治体がより早く汚染状況を把握して開発に着手できるよう、返還3年以上前の実施を求めている。
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林公則・明治学院大准教授(環境政策論)は「米軍が管理を徹底することが大前提だが、環境に配慮していなかった時代に埋められたものもある。立ち入り調査をできるだけ前倒しし、スムーズな利用につなげるべきだ」と指摘した。
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