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新館は延べ7200㎡!
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概算工事費100億円!
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京都市は6月14日、「京都市美術館再整備工事」の基本設計概要を公表した。歴史的・文化的価値の高い本館などを改修・保存し、敷地北東部に延べ床面積約7200㎡の新館を建設する計画で、概算工事費は約100億円を見込んでいる。実施設計と施工を一括発注する考えで、今後は7月に設計・施工の入札を公告する予定だ。基本設計業務は青木淳・西澤徹夫設計共同体が担当した。
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1933年の開設から80年以上が経過した京都市美術館(左京区岡崎)の老朽化や展示・収蔵スペース不足を解消し、新たな役割にも対応した文化芸術の発信拠点としての機能充実を図るのが目的。15年3月にまとめた基本計画では、近代建築物として高い価値を持つ美術館本館などを保存・再生するとともに新棟を整備するとした。
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基本設計によると、将来的に国の文化財指定を目指す本館(RC一部SRC・S造地下1階地上2階建て延べ約1万1610㎡)は、耐震性能を強化するとともに、空調・照明設備の全面更新や防火設備の強化などにより展示機能を強化。新館は地下1階地上2階建て延べ約7210㎡で、内部には現代アート展示室や収蔵庫を配置するとした。
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このほか、再整備に当たっては、車いす対応エレベーターの増設やスロープの設置、オストメイト(人工肛門使用者)対応多目的トイレの設置などバリアフリーに配慮した施設整備を行うとともに、環境への配慮として太陽光発電設備、LED照明、高効率空調システムの導入やサッシ・外壁面・屋上の断熱化、屋上緑化などを計画。工事費用は概算で100億円と算定している。
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7月に実施設計・施工の一括発注に係る入札を公告する予定で、順調にいけば、9月の落札者決定と仮契約締結を経て、11月市議会に契約議案を提案する見通しだ。12月に実施設計に着手し、約31カ月間で設計と工事を実施、19年7月末の竣工と同年度内のリニューアルオープンを目指すとしている。