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株所有96%超に!
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7月下旬には上場廃止へ!
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富士通は6月16日、連結子会社のニフティのTOB(株式公開買い付け)を終了したと発表した。株式の所有割合は買い付け前の66.59%から96.74%になった。富士通は特別支配株主として残りの株式の売り渡しを6月下旬に請求し、完全子会社にする予定。早ければ7月下旬にニフティは上場廃止となる。
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富士通はニフティを完全子会社にした後、クラウドサービスを中心とする企業向け事業と、インターネット接続サービスを中心とする個人向け事業に分割する方針。企業向け事業は本体との相乗効果を引き出し、個人向け事業については外部との連携を含めた抜本的施策を検討する。
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富士通は4月28日、66%強を出資する連結子会社のニフティをTOBで完全子会社にすると発表した。買い付けにかかる費用は113億円。ニフティは今秋にも上場廃止となる見込み。ニフティが手がける個人向けインターネット接続サービス事業は苦戦が続いている。完全子会社とすることで他社との提携などの経営判断を迅速にする。
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買い付け期間は5月2日から6月15日まで。買い付け価格は1株1495円で、ニフティ株の過去6カ月の単純平均株価に対して、38.68%のプレミアムを加えた。
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28日、記者会見した富士通の塚野英博取締役執行役員専務はネット接続サービス事業について「適切なアライアンスを通じて事業強化をはかる」と話し、他社との連携を視野に入れていることを明かした。
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一方、ニフティのもう一つの収益源である企業向けクラウド事業は、富士通が同様のサービスを提供している。完全子会社化により顧客開拓やサービス提供で相乗効果を発揮しやすいとみている。
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ニフティは東証2部上場で、15年3月期の連結売上高は前の期比7%減の668億円。ネット接続サービス事業の会員数減少などが響き、減収が続いている。14年3月にはNECが子会社のネット接続サービス大手を日本産業パートナーズに売却するなど、合従連衡の動きが相次いでいる。ニフティの完全子会社化で再編機運がさらに高まる可能性がある。
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