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世界の首脳はどう扱うのか!
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道理は通っても規制は通らぬ!
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国際税務の専門家クリシェン・メータ氏は20日、「パナマ文書」をめぐる講演で、資金洗浄や脱税など不正な金融取引で、世界の租税回避地(タックスヘイブン)に、米国と中国、日本の国内総生産(GDP)の合計に相当する30兆ドル(約3300兆円)もの資金が蓄積されているとの試算を紹介した。課税逃れ対策は、5月26日開幕する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも主要議題になる見通しだ。
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メータ氏は、世界的な会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)元幹部で、タックスヘイブンの動向を監視する英民間団体「タックス・ジャスティス・ネットワーク」の上級顧問。パナマ文書が流出した中米パナマの法律事務所モサック・フォンセカは、1日あたり100件のペーパーカンパニーの設立や銀行口座の開設を行っていたが、メータ氏は「パナマの4大事務所の一つに過ぎない。世界には50から60のタックスヘイブンがあり、毎日2万件の会社設立や口座開設が行われている」と、急速な拡大に警鐘を鳴らした。
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また、タックスヘイブンとして英領ケイマン諸島などが知られるが、メータ氏は「主要7カ国(G7)の米国と英国こそが世界最大のタックスヘイブンだ」とも指摘。「対策強化がサミットの重要な課題だ」とし、各国当局による税務情報交換制度の拡充や、金融取引への課税拡大、ペーパーカンパニーの実質所有者の把握などの必要性を訴えた。
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G7でグローバルな租税回避の取り締まりを強化しようとしているが、ホワイトハウスからたった160キロのところには、れっきとしたアメリカのタックスヘイブンがある。デラウェア州だ。米東部のこの小さな州には、人間よりも多くの企業(公開・非公開)が存在している。最新の集計では、人口89万7934人に対し企業数は94万5326社ある。匿名会社の数を見れば、海外のタックスヘイブンに引けを取らない。
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英民間団体タックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)は2009年、「金融秘密度指数」のランキングで、ルクセンブルクとスイスを抑えてアメリカを1位に挙げた。「われわれの分析では、アメリカは最も深刻な地域の1つだ。改善はほとんど進んでおらず、透明性向上の取り組みの脅威となっている」と報告書には書かれている。
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市場万能主義、金融テクニックを駆使し、利をむさぼる米国流金融資本主義企業がその手際を見せたのが、8兆円近い日本の血税が投入された旧日本長期信用銀行を引き受け、再生させ、新生銀行として再上場させたリップルウッド・ホールディングスというファンド。
オランダに本拠を置き、日本には1円の税金も払わなかった手法には日本の経済界も唖然。
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これ以降、規制緩和と言う呪文が日本を覆い、その中から人材派遣業を使って労働者を使い捨てにし、余剰資金ひねり出しそれを投資やM&Aに回し、富を増殖することが流行。
規制緩和から新たにできた法を最大限に利用し、マネーゲームに走った代表者がホリエモンや村上ファンドの村上世彰氏であったが、二人とも短い春を終えた。
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さて26、27日のG7で「タックスヘイブン」に対する共通規制が「実効性のある」内容なのか「努力目標」なのか、微妙なところだ。
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