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関与事業者に賠償請求へ!
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背景に順法意識の低さ!
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東京都水道局の職員が浄水場の業務委託をめぐる談合で受注業者に非公表の情報を漏洩し、公正取引委員会から官製談合防止法に基づき、改善措置要求を受けていた都は11月27日、情報漏洩に及んだ職員ら計7人を停職6カ月などの懲戒処分にすると発表した。
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2018年10月に発覚した、浄水場排水処理施設の運営業務を巡る官製談合問題で、都は11月27日、職員の順法意識の低さが背景にあったとする最終報告と、職員7人の停職6カ月などの懲戒処分を発表した。ほか、退職者ら懲戒処分にできない18人のうち停職・減給処分が相当とした12人に、給与の一部返還を求める。
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停職6カ月は、当時の金町浄水場(葛飾区)の係長(53)と朝霞浄水管理事務所(埼玉県朝霞市)の主任(64)の2人。次いで、三園浄水場(板橋区)の課長補佐(55)が同1カ月。既に退職した主任(65)は同10日、係長(死去)は同6カ月が相当とした。
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最終報告によると、この5人は2010~14年度、排水処理委託の設計金額を業者に伝えていた。業者側からの見返りはなかった。組織的な行動ではなく、各担当者が「既存の業者が受注した方が業務がうまく回る」などの動機があったと結論づけた。
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ほか、懲戒処分は上司に当たる当時の部長級と課長級の計4人。2人が減給60分の1(1カ月)、2人が戒告処分。組織内の意思疎通に「著しい不足があった」とされた。また、退職済みの元水道局長3人ら元幹部職員ら16人が減給処分が相当などとした。
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公正取引委員会が2019年7月、官製談合防止法に基づき、都に改善措置を求めていた。4業者が談合を繰り返していたとされる。
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中嶋正宏水道局長は「多くの職員が処分を受けることになり、都民のみなさんに心からおわび申し上げる」と謝罪した。
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都は2020年3月までに、談合に関わった事業者への損害賠償額を算定し、請求する方針だ。
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都では公取委の措置要求前に実施された立ち入り検査翌日の2018年10月から、職員延べ約1800人に聞き取り調査を実施。その結果、平成22~26年度までの間、男性主事(53)ら5人が受託事業者の現場責任者らに対し、翌年度の排水処理委託契約にかかわる非公表の設計金額に関する情報を漏洩するなどしていたことが判明した。企業側との金銭のやり取りは確認されなかった。
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一連の問題をめぐっては公取委が7月、談合を繰り返していたとして水処理事業を手掛ける「月島テクノメンテサービス」(東京都江東区)と「石垣メンテナンス」(同千代田区)の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、計7418万円の課徴金納付を命じた。また、「日本メンテナスエンジニヤリング」(大阪市)を加えた3社に再発防止を求める排除措置命令も出していた。
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