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23年以降で約3億1千万円に上る!
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詐取金・元課長や取引先の担当者らで分配!
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工事代金を水増し請求して現金をだまし取ったとして、警視庁は6月6日、ジェイアール東海不動産(東京都港区)の元社員ら2人を詐欺容疑で逮捕した。
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捜査関係者によると、逮捕されたのはジェイアール東海不動産元社員の勝又明博(68)と工事請負会社元役員の畑中茂徳(53)の両容疑者。勝又容疑者は「記憶にありません」と容疑を否認し、畑中容疑者は認めているという。
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逮捕容疑は2014年、JR東海の100%子会社「ジェイアール東海不動産」(東京都港区)が管理する社宅の修繕工事について、費用を水増しして住宅設備の施工管理会社「東京日化サービス」(国分寺市)に発注。
水増し分を含む代金約580万円をジェイアール東海不動産に請求し、だまし取った疑い。
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2014年ごろ、同社が請け負った工事代金を水増しし、共謀して私的に着服した疑いがある。2人は少なくとも4億5000万円をだまし取ったとみられ、警視庁が金の流れを調べている。
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訴訟資料などによると、勝又容疑者は01年にJR東海からジェイアール東海不動産に出向。施設課の担当課長などを務め、事件当時は社宅などの維持管理業務の責任者だった。畑中容疑者は当時、東京日化サービスの取締役で、勝又容疑者が畑中容疑者に水増し請求を指示したとされる。
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捜査2課によると、08年7月~15年6月、同様の手法で約200件、計約4億5000万円をだまし取った可能性があり、裏付けを進めている。詐取金は遊興費に使われたとみられる。
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ジェイアール東海不動産では05年にも、JR東海からの出向者が業務上横領容疑で逮捕された。取材に対し「社内ガバナンスを強化してきたつもりだった。今回の件はまだ事実確認できていない」と話した。
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平成29年2月、国税庁による同社への調査がきっかけとなり、元課長が架空発注を繰り返していたことが発覚。同庁の調査結果では、23年以降で約3億1千万円に上るという。
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同社は元課長に対し、約1億2400万円の損害賠償を求め民事訴訟を提訴。訴状によると、元課長は社宅などに関する工事の予算を社内で獲得し、業者へ工事を発注する立場にあったという。
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元課長は立場を利用し、取引先の建設関連企業(国分寺市)に水増しした見積書の作成を指示し、その上で、水増しした金額内での架空請求を繰り返す手口で資金をだまし取っていた。詐取金は、元課長や取引先の担当者らで分配していたとされる。
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