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予算から削除・修正案を提案!
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白紙撤回 福岡市長の公約!
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福岡市のJR博多駅と博多港を結ぶロープウエー構想を巡り、市議会(60人)最大会派の自民党市議団(18人)は3月1日、市の2019年度一般会計当初予算案に計上された実現可能性の検討費5000万円を削除する修正案を提案すると発表した。
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南原茂会長は「ロープウエー限定の調査は受け入れられない」と述べ、検討費を予備費に移す案を示した。ロープウエーは市議会で反対論が根強く、修正案の可決は確実な情勢。賛成が過半数を突破し3分の2に迫る可能性も出ている。
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「ロープウエーに絶対反対ではないが、時期尚早で議論ができない」。市議団の打越基安副会長は、与党第1党ながら修正案に踏み切った理由を説明した。ロープウエーは、高島宗一郎市長が2018秋の市長選で公約に掲げ、3選後の今年1月には有識者や市幹部による研究会が「ロープウエーが望ましい」と提言。市議団には「結論ありきで議会軽視だ」との不満が募っていた。
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一部には「検討だけならいいのでは」との容認論もあったが、市議選(4月7日投開票)が迫る中、「市民にはロープウエー反対の声が多い」との見方も浮上。福岡空港への出資問題などで対立した高島市長とのあつれきも根底にあり、多数決で修正案の提出が決まったという。
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修正案が可決された場合、高島市長は地方自治法に基づく首長の「拒否権」である再議(審議のやり直し)を議会に求め、出席議員の3分の1超が修正案に反対すれば否決することもできる。高島市長はこの日、「市議会の意見をうかがいながら適切に対応する」とのコメントを発表したが、具体的な対応策は示さなかった。
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高島宗一郎市長は3月13日、「きっぱりと検討をやめる」と表明した。同日の市議会では、自民党市議団など高島氏と距離を置く会派が賛成し、採算性などを検討する費用を削る新年度予算案の修正案を可決。計画を強引に進めれば来月の市議選で親市長派に悪影響が出るとみて、撤回を判断したとみられる。
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修正案は検討費用5000万円を削り、目的を定めない予備費での対応を求めるもの。最大会派の自民市議団が出した。この日の本会議で、旧民進系の市民クラブや共産なども同調して、賛成多数で可決された。
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本会議後、高島氏は記者会見を開き、「(博多港がある)ウォーターフロントの再開発が進んでおらず、必要性が理解されていない。開発は10年、20年と長期になる。交通対策は市民に共感いただけるタイミングで検討すればいい」と述べ、白紙撤回を宣言した。
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計画は、高島氏が2017年末に自身のパーティーで「私の夢」として披露し、2018年11月の市長選で公約に明記。高島氏の政策の柱の一つとなっていた。
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高島氏は市議選でこうした会派を中心に支援していく方針だ。親市長派の議席増は、高島氏にとって、市議会への影響力を確保するための必須条件。市民の反発が強い計画を撤回し、争点になるのを避ける思惑がある。
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