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補助制度を創設方針!
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老朽化対策を加速しリスク分散!
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埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、国土交通省は2026年度、破損すると市民生活への影響が大きい大型の下水道管を対象に、複線化などの「多重化」を推進する方針を固めた。事業費の2分の1を自治体に補助する制度を創設し、対象の自治体に多重化に向けた計画の策定を促していく。大型管などの更新費用も補助し、老朽化対策を加速させる。
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1月28日に起きた八潮市の陥没事故は、設置から42年が経過した下水道管(直径4.75m)の破損が原因とみられている。破損箇所から土砂が流出し、陥没は幅40m、深さ15mに拡大。事故現場に汚水が流れ込むのを防ぐため、県内12市町の計約120万人が約半月間にわたり、下水道利用の自粛を求められた。
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下水道の老朽化は全国で進みつつあり、国交省は事故を受け、破損時の影響が大きい大型管の対策を検討。各自治体の調査で破損のリスクが判明した大型管の更新を重点的に進めるとともに、下水処理機能を多重化してリスクの分散化を図ることにした。
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補助制度は、
〈1〉直径2m以上の大型管
〈2〉災害時に緊急車両が通行する「緊急輸送道路」や重要な幹線道路に敷設された管――のうち、人口密集地や市街地にあり、更新や事故・災害時の対応が困難な管路の多重化事業が対象。管路の複線化や、緊急時に進路を変える「連絡管」、漏水時に汚水をためる「調整池」の設置などの費用の2分の1を自治体に補助する方向で検討している。老朽化した大型管などの更新費用についても2分の1の補助を行う方針。
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国交省によると、多重化の対象となる大型管を持つ約60自治体のうち、多重化の推進計画を策定しているのは7%(24年度時点)にとどまる。同省は、残りの自治体にも27年度までに策定するよう促していく。
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上水道についても26年度、多重化や更新の補助制度を創設し、直径80cm以上の上水道管などを対象に事業費の3分の1を助成する方針。上水道の老朽化も各地で進んでおり、今年は京都市や大阪市などで設置から60~65年ほどたった水道管から漏水し、道路の冠水や住宅の浸水などの被害が出た。
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国交省は26年度予算案の概算要求に、各補助制度の関連経費を盛り込む。
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