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京都を通る必要性はどのくらいあるのか!
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リニア新幹線・名古屋以遠では京都を通らず大阪へ!
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鉄道整備は、政治家にとって権力誇示と自己利益にも繋がる重要案件ともなってきた。戦後発足した運輸省鉄道建設審議会には、自民党議員が入る枠があり、小委員会のトップには党政調会長が就いた。
1960年代、このポストを握った田中角栄氏は72年、「日本列島改造論」で全国を高速交通網で結ぶ構想を発表し、73年、国は「整備新幹線」の計画を策定し、本州だけでなく北海道や九州を含むプランの中に、東京と大阪を結ぶ北陸新幹線が入った。
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北陸新幹線など3線5区間の着工順位が決まった1988年以降も、整備新幹線の事業決定は政府と与党が担ってきたが、2007年ごろからは与党PTが主導権を握るようになった。当時、整備新幹線は財源問題が壁となって建設が進んでおらず、与党PTが担うことで決定のプロセスを簡略化し、事業を加速化させる狙いもあった。
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実際、与党PTは財源問題に配慮し、08年12月、北陸新幹線の金沢-敦賀間など3区間について09年度中に部分的な着工を認可するよう政府に求め、了承を取り付けた。取らぬ狸の皮算用で、費用対効果で利用客の水増しと新幹線上下分離方式でJR西日本が路線を借り受ける費用を大きくするウルトラCを適用するつもりだ。これで、自治体が負担する費用を少なくするはずだが、着工後の資材高騰・人件費UPの増額分で自治体にも応分の負担がのしかかってくることは避けられない。
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それはさて置き、ルートも決まらず、途中駅も決まらない中で、自治体に推進を要求する与党プロジェクトは、自民党の悪癖で「何でもいいから着工」させようの魂胆が丸見えなのだ。
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上から目線だった与党PTは、今になって何一つ責任ある言葉を発しない。出来上がった線路を借り受け、駅舎を建築するJR西日本は、算盤の合わない路線には乗らないと明確に言っている。
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JR西日本の倉坂昇治社長は7月23日の記者会見で、北陸新幹線敦賀以西の延伸について「乗客の利便性を考えれば京都駅の近くを通るルートが望ましい」と述べ、小浜・京都ルートで整備すべきだとの考えを改めて示した。
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参院選京都選挙区(改選数2)で、滋賀県を経由する「米原ルート」への再考を求める日本維新の会新人・新実彰平氏と、小浜・京都ルート堅持の自民党現職・西田昌司議員の2人が当選したことに関しては「選挙結果は民意そのものだが、新幹線整備との関係性は言及しかねる」と述べるにとどめた。
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衆参で少数与党となった影響については「安定的な政権運営を行っていただき、国家プロジェクトである新幹線整備が着工に結びつくことを願う」と話した。
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京都駅の位置として、「東西案」、「南北案」、「桂川案」の3案あった駅位置や線形では東西案が消えて、南北案と桂川案に絞り込まれました。地下の北陸新幹線ホームと地上の東海道新幹線ホームがほぼ並行に並ぶ東西案は、水脈問題と現地下構造物(地下鉄)より深い位置で水環境問題とも合わせ検討対象から消えた。
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つづく