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処分受けた職員と同部屋に配属!
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「不適切行為」審査会が指摘!
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和歌山市の男性職員が公益通報をしたあと、自殺した問題をめぐり、第三者機関の審査会は市の対応が不適切だったとする調査結果を公表した。
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和歌山市の男性職員は(当時20代)不正支出を上司から命じられたと公益通報し関係した職員らは処分されたが、男性は2020年、自殺した。
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第三者の弁護士などでつくる審査会は6月6日、調査報告書を発表し、公益通報で処分を受けた職員を人事異動で男性と同じ部屋で働く部署に配属したことについて、「公益通報者の心情への配慮を全く欠いた行為で不適切だ」と指摘した。
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男性は青少年課に異動した18年5月、担当となった児童館で補助金申請の不正な事務手続きを命じられ、うつ病を発症し休職。この不正について18年8月に公益通報制度で内部告発し、市は20年2月に管理職ら職員15人を懲戒処分とした。
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職場復帰していた男性が死亡する直前の20年4月、通報を受け処分された職員が同じフロアに異動してきていたことが後に判明。市は「別課で業務上の接点や指揮命令関係はなかった」とする一方、母親は「公益通報者が守られていなかった。報復人事ではないか」と訴えていた。
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意見書では、公益通報者保護法第5条が禁じる不利益な取り扱いがあったとまでは認められないとした一方で、公益通報によって懲戒処分を受けた職員を同じフロアに配属したことについて、お互いの顔を直視することが可能な距離であったとして「公益通報者の心情を全く欠いた行為」と指摘。さらに、国ガイドライン所定の通報者に対するフォローアップを市が行っておらず「フォローアップに関して意識する者もいなかった」と言及した。
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意見書ではこうした不適切な対応がなされた原因について
▽公益通報体制の不備
▽通報者保護に対する認識不足
▽市職員に対する公益通報者保護制度等の周知徹底不足--があると総括した。
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会長の中川利彦弁護士は記者会見で「男性の立場からすれば、隣の課とはいえ、処分された職員が顔が見える距離に上司として来るのは苦痛だったのではないか。法律違反ではないが、(人事配置の)対応は不適切だったとはっきり言える。公益通報者の秘密は守られていたが、その後のフォローアップについては市全体の認識が甘かった」と説明した。
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尾花市長は答申を受け「指摘を真摯に受け入れ、公益通報に関する要綱を見直すなどして、本市における公益通報制度がより良いものになるよう努める。改めて自死された職員のご冥福をお祈り申し上げる」とコメントした。
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