2024年9月・教員不足:年度当初と比べ・1.3倍に拡大!

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ある日突然、2つのクラス合同の授業が始まった!
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授業をしない教頭先生が教壇に立った!
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教員不足などで私立松江西高を行政指導・島根県!
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いま、全国の教育現場で起きている。
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不足している教員の人数は、2024年5月の時点と比べて9月の時点では1.3倍にまで拡大した。
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年度途中でさらに拡大する教員不足。子どもの学びに影響が出ている所もあり、解消に向けた“特効薬”はなく、自治体では頭を悩ませている。
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このうち政令指定都市の千葉市を除いた千葉県内の小中学校と高校などでは、ことし5月の時点で定数に対して不足している教員の数は196人でしたが、8月には1.5倍近い290人にまで増えました。
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なぜ、年度途中で教員不足が拡大したのか。
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千葉県教育委員会によりますと、病気や精神的な面での療養などに加えて、育休や産休を取得する教員が増えていることが大きいといいます。
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千葉市を除いた県内の小中学校と高校などではおよそ2万9000人の教員が働いていますが、20代と30代が全体の6割を占めているということです。
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さらに近年、男性教諭が育休などを取得するケースが増えていることも理由の1つだといいます。
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千葉県教育庁小中学校人事室 金親秀樹室長
「団塊の世代の教員が多く退職したあと、それを補う形で若い世代の採用を増やした。女性教諭の育休取得者は、予定日が分かるので、代わりの講師を見つける時間を比較的、確保できるが、男性教諭については育休を取るのかなど個々の考えにもよるので、予測が難しい。今後もこうした産休や育休を取得する人が減ることはないだろうと見込んでいる」
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一方で、教員の選考試験の志願者が2年連続で減っているため、教員不足を補うための非正規の講師を確保することも難しくなっているといいます。
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このため学校現場ではほかの教員が授業やクラス担任を担うなどしていますが、負担は大きく、急きょ時間割を変えたり、2クラス合同で授業を行ったりするなどしている学校もあるということです。
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千葉県教育庁小中学校人事室 金親秀樹室長
「子どもたちや先生たちが困らないよう、速やかに講師を現場に配置できるよう努めたい。教員になりたい人の数を増やしていくことが教員不足に対処する唯一の方法だと思うので、教員を増やす施策を今後も検討していきたい」
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文部科学省 3つの柱で働き方改革と処遇の改善
深刻な教員不足が続く中、待ったなしの状況となっている教員の働き方改革と処遇の改善。文部科学省は、3つの柱で総合的に進める方針。
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1つ目:「教科担任制」の拡充など教員の定数の改善
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小学校の教科担任制を現在の5、6年生から3、4年生にも広げることや、新規に採用された教員が学級担任となった際、負担を減らすため、教科ごとの担任を配置すること、それに不登校やいじめの対応に専門にあたる教員を全国に配置することにしています。
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こうした施策によって来年度、教員を7600人余り増やすとしています。
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2つ目:給与の引き上げ
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もともと公立学校の教員の給与は、「給特法」という法律で教員の仕事は特殊性があり勤務時間の線引きができないとして、残業代を支払わない代わりに一律で月給の4%が上乗せされている。
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さらに、優れた人材を確保するため「人材確保法」と呼ばれる法律で一般の公務員より優遇措置を取ることが定められた。
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しかし、一般の公務員の処遇改善が進む一方、上乗せ分の4%は半世紀にわたって据え置かれたままとなっていて、業務の負担が増える中、引き上げを求める声が相次いでいた。
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このため、文部科学省は、▽上乗せ分を13%に引き上げるほか▽学級担任への手当を月額3000円、▽管理職の手当を月額5000円から1万円増額する方針。
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3つ目:学校での働き方改革のさらなる推進
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▽校長と中堅の教員が一緒に参加する新たな研修を実施し、勤務時間の適切な管理や業務分担の見直しに生かしてもらうほか▽学校のインターネット環境を改善し、業務に使うクラウドシステムを各都道府県で統一化して学校でのペーパーレス化やクラウドの活用を進め、働きやすい職場作りを後押しすることにしている。
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<私立松江西高の保護者ら会見> 
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3月28日、教員が足りなくなるなどの状況が起き、島根県から指導を受けている松江市の私立松江西高校の生徒の保護者らが詳しい説明を求めて会見を開いた。
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島根県によりますと、松江西高校では2024年度に入り、国の基準に対して教員の数が不足する状況が続いている。
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県は2024年度、口頭で3回指導しましたが、高校側は「募集しても教員が集まらない」などとして改善されていないということです。
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また、一部の授業が実施できていないことも確認。
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保護者
「先生何人やめるんだろうという常にそういう不安を抱えたまま、子どもたちが教育を受けているというところでは、保護者としては今のまま放っておくことはできないなということで、今回の会見に挑ませていただきました」
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27日に会見を開いた生徒の保護者らは学校側に対して詳しい説明を求めていくとしている。
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