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メーカー談合は目立なくなったが!
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利権屋が仕込む1社入札は相変わらず!
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世の中、談合事件と名がつく建築、土木、設備、解体工事等多々あるが表面化するのは何割あるだろう。発覚するのは、業界業者側からのリーク、他の事件の押収書類からの発覚あるいは噂話からである。
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本紙なども10数年以上前から業界談合等のネタを書いてきたが、あまり表面化したことはない。大抵は怪しいニュースとしか見ないからである。
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一時期ごみ焼却施設が全国で一斉導入された時期があった。導入計画が発表され、実施されるまでに3~5年はかかる。この間に、その地域の行政、地方議員、自治会長、建設業者、地方ボス、反社団体が何百億円の事業費をめぐり、メーカーともども暗躍していた時代である。
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この当時のメーカーで廃業、合併を繰り返し現在生き残っているのは数えるほどである。スタートは東京を中心とした市場であり、東京都だけでも21の清掃工場体制であるから、稼働17年サイクルなら毎年どこかがアセス、設計、入札となり200億円~500億円の工事をしてきたことになる。
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この当時の入札は、談合を繰り返し1度落札したメーカーが立替の時、再度落札したケースはまれで、ほどんとの案件は他メーカーが落札しているのだ。この当時、コンサルの意向も強く素人行政相手に焼却炉の選定から入札に至るまで行政と組んで支配を繰り返してきた。
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この当時のメーカー営業は、内定的に決まるまでに何百万円の工作費を使い、自社が主導権を握るために日夜体を張ってきた営業マンもそこそこいた。行政には、各メーカーが一斉に押し寄せ資料や実績表や納入先見学案内などあの手この手を使うが、半年、1年と時間とともに2~3社となり、最後にはこの2~3社が入札参加することになり、大本命が無事落札することになる。
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逆に1社入札となることも多い、入札案件の周辺自治体で数か所の入札予定があるなら、バーターや握りが出始め、談合が成立し始める。入札に参加しても本命に協力し高値札で応じ、落札後にその業者から談合参加費を受け取ることもあった。
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そのような時代を過ぎ、最近目にするのは、旧来の営業スタイルが通用しないのがごみ焼却施設入札である。それは、施設費に建築費と運営管理費が合算され応札されるようになった。このシステムのせいで従来のプロポーザル審査が行政主導で落とすメーカーを審査会に暗示できなくなったのである。
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最近、九州地区の焼却施設入札で、奇妙な落札が発生した。事業発注者は福岡県「大牟田・荒尾清掃施設組合事務局」で、令和5年5月10日付けで公告、入札結果は令和 5 年 12 月 15 日発表、事業期間は令和30年3月31 日まで。応札者は1社のみ、落札者はJFE エンジニアリング株式会社 九州支店、協力企業は前田建設工業株式会社 九州支店、西部電気工業株式会社、落札額は33,679,000,000 円(消費税別)。
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競争もなく、1社入札になった裏工作については、次回掲載。