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センズイ埋立量61万m3の半分は善商へ持ち込みのニッカン㈱から!
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前回記事で「早く手放さないと、この先、大変なことになるのだ。」と書いたには、それなりの理由がある。
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旧センズイの排水から1.4-ジオキサンが検出されたことは倉敷市も発表していないし、旧センズイが埋立終了後も「ただの一度もモニタリング調査」が発表されたこともなく、担当行政がどのような指導をしたのか良くわからない。
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埋立が終了したなら設置許可が消されるはずだが、どういうわけか会社も設置許可も生き残っていた。どうやら、安定処分場の排水はポンプを設置し高低差70の埋め立て地へ散水することになっているが、ポンプが設置せれてもいないし、排水場にたまった排水はオーバーフローで流れ出るだけである。おまけに、申請されていた埋立計画量は595,269m3なのだが、終了後の埋立量は合計615,083m3であり、オーバー量は19,814m3である。
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これらのことを解決するために、軽微な変更として届け出を受理し、増量は39,153m3しかない。この3万9000m3を5年間で受入し、散水用ポンプを設置し、閉鎖処分場の維持管理費を捻出する条件だ。間違っても再々延長はないのだ。
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肝心な話であるが、排水から1.4-ジオキサンが検出されたことで、年1回の検査で基準以下に維持しなければならない。処理方法についても当局へ説明しなければならないはずだ。
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なぜ1.4-ジオキサンが検出されているのか、それは受入廃棄物に問題があるからだ。センズイは稼働を始めてから埋立が休止になるまでの間、30万m3近くは、岐阜椿洞で発生した善商の廃棄物と同じものが入っているのだ。中間処理業のニッカン㈱は「岡山のセンズイへもっていく」として運賃込(中部関西からの運賃は10万以上)みで契約し、運搬距離が短い岐阜の善商に入れていた。運賃丸儲けなのである。
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岐阜市椿洞不法投棄事件とは、昭和62年7月岐阜市から産業廃棄物処分業の許可を得、椿洞地内で中間処理を開始。その後、破砕(がれき)、焼却(紙屑、木くず、繊維くず)の許可も得た。平成2年(1990)ころから処理能力を超える量の廃棄物を受入、これを現場に放置、堆積し始め平成11年(1999)5月から12月ころには、隠ぺい目的でこの廃棄物に覆土し、その上に廃棄物を乗せまた覆土するという不法投棄が行われていた。この時期には、許可品目以外のプラスチック類等(10万m3余)も受け入れていた。
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岐阜市の始動警告は無視され、平成16年(2004)3月善商に岐阜県警の強制捜査が入った。それまで、岐阜市は善商の不法投棄を防止できなかった。マニフェストの確認も行われていたのであろうが、この当時は中間処理業者や結託した最終処分場、収運業者が最終処分地のマニフェスト(印を押してあるもの)を所有し、処分地以外に投棄していた。平成16年10月廃棄物処理法違反で㈱善商(実質的オーナーの会社社長疋田優容疑者、善商社長為重美紀容疑者)、ニッカン㈱(実質的オーナー亀井義久容疑者)の役員ら6人が逮捕され、同年12月ニッカン㈱が破産宣告。
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中部や関西の業者が岡山の処分地のマニフェストで、廃棄物を集めるが、半分は岐阜の善商に搬入していた。
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2004年3月善商が産業廃棄物廃棄場として活用している岐阜市椿洞でゴミの中がくすぶり白い煙が噴出している事が発覚。岐阜市は現地調査開始、2006年11月調査結果発表、7つのボーリング穴からから採取したガスの成分は高濃度の水素と一酸化炭素、ダイオキシンが見つかり市は現場調査をさらに行い、周辺環境に悪影響を与えないような撤去方法を検討する事になった。同年、善商の代表者ら6人を産業廃棄物処理法違反で逮捕した。
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2007年3月市は技術専門会議の設置を発表、基本的に撤去は善商に求めるとするが、善商の実質的経営者の疋田優元被告の判決が確定し、善商が事実上休眠状態と成った為行政代執行も視野に入れて実施計画案を纏める事になった。
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市が産廃特措法に基づき5年かけて除去した産廃に加え、関係業者の自主撤去も含め50万m3を除去、残る75万mm3は土砂やコンクリートが大半でダイオキシン発生の恐れがなく、安全面も問題はないとし2013年3月終息を宣告した。
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センズイの廃棄物も善商の廃棄物と同じであり、覆土があってもガス抜きパイプが設置されておらず、建廃交じりの廃プラ類が埋め込まれていることからみると、木くず・紙くず・繊維くずと建廃交じりの廃プラ類が反応し合い、ガスや悪水が途切れることなく出続けることは否定できない。
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埋立完了後の維持管理費が想定以上に掛かるのは火を見るより明らかだ。ジェイHDとしては、搬入売上から出る利益が何%見ているのか分からないが、1m3あたり5000円以下の処分費で、はたして維持管理費が捻出できるのだろうか。お荷物投資にとなりそうだ。
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