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エフィッシモは応じる意向!
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川崎汽船は11月4日、3523万6000株を上限に自己株式を取得すると発表した。発行済み総数に対する割合は12.41%で取得総額の上限は1000億円。取得期間は11月8日から2023年3月31日まで。
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村上系投資ファンド、エフィッシモキャピタルマネージメントとみずほ銀行は、川崎汽船が取得する株式の総数に対しておおむね各社の現時点での持ち分割合に相当する数量について、自己株取得に応じる意向があることを確認している。大量保有報告書の内容から、エフィッシモの保有割合は38.65%、みずほ銀は1.97%。
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11月8日から11日に東証立ち会い外で買い付け、上限に満たない場合は東証市場買い付けで取得継続する方針という。取得する自己株は原則として消却を予定している。川崎汽船の株価は午後の取引で下落幅を拡大し、一時9月29日以来の日中下落率となる前営業日比7.1%安の2056円まで売られた。川崎汽船は同日、今期(23年3月期)の営業利益予想を800億円(従来予想570億円)とするなど業績の上方修正を発表したが大手2社と比較すると「財務上の安全性が確保できたので、大規模な株主還元に踏み切ることができた」がすでに発表されていた範囲内であり、新味に欠けると見られたせいだろう。
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2022年度3月期(2021-2022年)決算は、世界的な運賃高騰の恩恵を受け、日本郵船が前年比41.8%増、商船三井が同28.0%増、川崎汽船が21.0%増となり、大手3社ともに大幅な増収を記録し、各社の純利益も過去最高となり、日本郵船においては1兆円超となった。しかし、ウクライナ戦争や米国をはじめとした世界的インフレが進行し、日本大手3社では2023年秋以降は高値運賃市況も軟化するだろうとみられている。
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商船三井・上半期決算(4~9月)
<売上高は37.6%増、営業利益は175.0%増>
10月31日に発表した2023年3月期第2四半期決算によると、売上高8213億3700万円(前年同期比37.6%増)、営業利益560億8700万円(175.0%増)、経常利益5997億9500万円(120.6%増)、親会社に帰属する当期利益6015億2300万円(118.9%増)となった。
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ドライバルク事業では、売上高2355億円(39.6%増)、経常利益345億円(141.1%増)。
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エネルギー事業では、売上高1891億円(32.6%増)、経常利益は221億円(103.2%増)となった。
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製品輸送事業は、売上高3402億円(42.8%増)、経常利益5377億円(122.9%増)。うち、コンテナ船事業が売上高265億円(7.9%減)、経常利益4947億円(111.9%増)だった。
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コンテナ船事業では、ONE社において、8月半ば以降スポット賃率は大きく下落したが、期中平均では前年同期を大幅に上回るレベルを維持。前年比高値で成約した長期契約運賃の影響も相俟って、前年同期比で大幅な増益となった。
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通期は、売上高1兆6000億円(26.1%増)、営業利益860億円(56.3%増)、経常利益8000億円(10.8%増)、親会社に帰属する当期利益7900億円(11.5%増)を見込んでいる。
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日本郵船・上半期決算(4~9月)
<売上高29.9%増、営業利益38.5%増>
11月4日に発表した2023年3月期第2四半期決算によると、売上高1兆3658億7800万円(前年同期比29.9%増)、営業利益1633億3600万円(38.5%増)、経常利益7653億2900万円(92.7%増)、親会社に帰属する四半期純利益7060億5800万円(71.7%増)となった。
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定期船事業の売上高1012億円(7.7%増)、航空運送事業の売上高1239億円(38.1%増)、物流事業の売上高4744億円(25.7%増)だった。不定期専用船事業の売上高は6164億円(34.9%増)だった。
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通期は、売上高2兆7000億円(18.4%増)、営業利益2700億円(0.4%増)、経常利益1兆1100億円(10.7%増)、親会社に帰属する当期純利益1兆300億円(2.1%増)を見込んでいる。
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川崎汽船・上半期決算(4~9月)
<売上高35.1%増、営業利益420.5%増>
川崎汽船が11月4日に発表した2023年3月期第2四半期決算によると、売上高4828億9700万円(前年同期比35.1%増)、営業利益529億9800万円(420.5%増)、経常利益5675億4000万円(138.4%増)、親会社に帰属する四半期純利益5654億3000万円(129.8%増)となった。
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セグメントごとの業績は、
ドライバルク:売上高1716億円(30.4%増)、営業利益260億円(342.8%増)。
エネルギー資源:売上高508億円(18.5%増)、営業利益92億円(986.6%増)。
製品物流:売上高2546億円(43.1%増)、営業利益5369億円(125.5%増)。
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通期は、売上高9200億円(21.5%増)、営業利益800億円(352.9%増)、経常利益7100億円(8.0%増)、親会社に帰属する当期純利益7000億円(9.0%増)を見込んでいる。
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