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医薬品卸に再び談合メス!
31病院の納入巡り・200億円規模の談合か!
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独立行政法人「国立病院機構」(東京都)が運営する九州の病院などへの医薬品納入を巡り、談合を繰り返した疑いが強まったとして、公正取引委員会は11月9日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで医薬品卸大手アルフレッサなど6社の福岡市内の支店などに立ち入り検査に入った。関係者への取材で判明した。
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<立ち入りを受けた6社>
▽アルフレッサ
▽アトル
▽翔薬
▽九州東邦
▽アステム――の各本支社(いずれも福岡市)
▽富田薬品(熊本市)
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6社は遅くとも2016年以降、同機構が毎年発注していた医薬品の一般競争入札で、事前に協議して価格や落札予定業者を決めるなど受注を調整していた疑い。
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発注された医薬品は同機構が九州で運営する26病院と、独立行政法人「労働者健康安全機構」(川崎市)が運営する5病院で使用するもので、発注額は200億円規模に上るという。
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医薬品卸は再編が進み、メディセオ▽アルフレッサ▽スズケン▽東邦薬品――の大手4社でシェアの大半を占める。アトルはメディセオの親会社メディパルホールディングス(HD)、翔薬はスズケンのそれぞれ子会社。
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6社はいずれも立ち入り検査を受けたことを認め、アルフレッサHD、メディパルHD、スズケン、東邦HD、アステムの親会社フォレストHDは「公取委の検査に全面的に協力していく」、富田薬品は「公取委の要請に真摯に対応していく」とコメントした。
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医薬品卸を巡っては、全国57病院が扱う医薬品を一括調達していた独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京都)の入札で大手4社が談合したとして、公取委が20年12月、うちアルフレッサなど3社と幹部ら7人を独禁法違反容疑で刑事告発。東京地検特捜部が在宅起訴し、7人の執行猶予付き有罪と3社の罰金が確定している。
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公取委は2020年、大手4大卸による談合事件を摘発しているが、地方でも談合が横行している恐れがあり、実態解明が必要だと判断した模様だ。
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関係者によると、6社は2016年度以降、機構が発注する医薬品の一般競争入札で、事前に協議して受注者を決めていた疑いがある。入札は、九州にある機構の病院と労働者健康安全機構が運営する労災病院の計31病院向けに納入業者と単価を決めるもの。
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前回談合の報道
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