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西松建設・500億の自己買いで終わったわけではない!
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日建連・2021年度上半期実績は良いのだが!
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株式取得で今も名を馳せる旧村上系のファンド各社は各企業の株式を市場購入をし、ある日突然大量保有報告書を提出する。大抵は5%を超えて(規定ゆえ)ではあるがー。
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株式を取得された企業は、1ファンドだけかと思っていたら大間違いだ。ファンド側の取得理由は「投資」と書いている。西松建設の例にあるように、543.9億円(買付予定数1500万株、応募数2111万1277株)もの自己買いに追い込まれる場合もある。自己買いで543.9億円の枠を発表し、公募をしたら予算枠超過になり申し込みに対する案分比例で1株に対し0.710520株となり、公募買収は完了したが、村上系ファンドの未買収株式は残った。これらファンドは残余株にプラス買い増しをし、25%の株式を保有している。今後、これらファンドはどのような動きをするのか注目する必要がある。
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旧村上ファンドの総帥はこう言っている「ファンドで、投資する銘柄を選ぶ際、時価総額に占める現預金(不動産、有価証券など換金可能な資産を含む)の割合、PBR、株主構成などを点数化しスクリーニングする」と。
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また、「売り上げが落ちるときが投資のチャンス、財務の良好な企、現金資産が豊か、外人株主が多い、自己資本が高いなどである」とも言っている。
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村上世彰氏の言葉を借りるなら、建設業界はスクラップ&ビルドでありながら、建物の1つ1つが設計し建設されるというオーダーメード型が大多数であり、工場生産のような量産体制にはない(建売住宅でも完全量産はできていない)のに加え、一般産業のように企業投資の割合が多くなく、内部保留に向かい現預金や不動産取得に向かっている企業が多く、投資会社の絶好の目標となっている。
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東京オリンピックを目指し首都圏を中心に関連施設の整備も終わりいざ本番となったとき、中国初のコロナが全国に蔓延し、日本もコロナ禍に見舞われ2020年オリンピックが1年ずれ込んだ。2019年12月末から始まったコロナは2021年9月末まで5波を数え、日本経済も沈んでしまった。
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建築関連業界も民需が完全に落ち込み、ゼネコンの売り上げ、完成現場も中止が相次ぎ、官需におぶさっている状態だ。大手スーパー5社の21年3月期決算は各社ダウンし、手持ち工事は1年分以上持っていたが、資材・人件費などが上がり各社現場損失引当金を増すなど22年度の決算利益にも影響が出そうな気配だ。
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準大手、中堅ゼネコンも大手5社の受注競争で煽りを受け、各社受注しても利益率が低下しているのが実情だ。村上氏が言っている「売り上げが落ちた時が投資のチャンス」という時期が来ているのかもしれない。
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西松建設の経過を見ていた各ゼネコン、自社株買いに走っている企業もいくつかあるが、ファンドから見ると市場株数が少なくなり株価が上昇しているなら投資対象となるであろうが、株価低迷なら投資対象にならないとみるのは間違いであろう。次の狙いは、企業合併ではないのか。建設業界も市場規模の割に企業数が多く、地方現場を受注した中堅ゼネコンも受注地域の工事実績もなく下請けを集められず苦労する。このように建設業の構造を見るなら、東京一極集中から地方重視ゼネコン同士の補完(土木主体は建設得意業者を建設主体は土木得意業者を)を狙う合併という手もある。
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日建連加入企業95社の2021年度4~9月までの建設受注について公表した。
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建設受注は、2020年同期比13.4%アップの6兆2230億1600万円。コロナ禍による契約遅れや事業先送りの分が発注になったといえる。この数字は、コロナ前の2019年度上期の6兆1068億6700万円を超え回復している。
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民間受注の数字を見ると17%増の4兆3770億2700万円。官公庁からは2.7%増の1兆7008億0900万円だった。
内訳で見ると
製造業は、8440億5400万円(+17.9%)特に食品、輸送機器、化学が多かった。
非製造業は、3兆5329億7300万円(+16.8%)
・不動産業 1兆2730億4300万円(+17.7%)
・サービス業7715億8600万円(+16.4%)
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海外受注は1309億0600万円。
受注の内訳
建築 4兆2961億6000万円
土木 1兆9268億7500万円
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地域ブロック別では、東北と北陸を除きプラスになっている。
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各社受注計画は達成できているが、受注競争は激化し、利益の確保が課題となっている。
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つづく