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危険廃棄物の混入がない限り行政代執行はない!
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5か月半で 高さ4m、長さ80m・11300m3!
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佐倉と八街の市境に大量の産業廃棄物が放置されている。県警は廃棄物を受け入れていた会社社長の男(37)=千葉市中央区=を廃棄物処理法違反の容疑で逮捕。千葉県は撤去に向けて排出元の調査を進めている。産廃の搬入はストップしているが、夏を迎えて悪臭が発生。家電製品などの“便乗投棄”も頻発するなど、周辺住民の生活を脅かしている。
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県廃棄物指導課によると、2020年6月ごろ、佐倉市上別所地区の約4000㎡の農地に廃プラスチックや建築廃材などがフレコンバッグで搬入され始めた。同年11月ごろまでの5カ月間で運び込まれた量は約11,300m3。高さは約4m、道路沿い約80mにわたって“ごみの壁”が連なる。
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社長は当初、県に対して搬入について「燃料として売るために購入した廃プラスチックを一時保管するため」と述べた。販売する様子もなく、日に日に堆積していくことから、県は同年12月に廃棄物処理法に基づき、撤去するように勧告。2021年1月には3月3日までに保管上限まで減らすよう措置命令を出した。社長が期限までに従わなかったため、3月30日に佐倉署に告発。県警は6月、社長を逮捕した。
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刑事事件に発展したが、逮捕で状況が変わるわけではなく、現場近くの同女性は「住民からすれば、フレコンバッグの中身が何か分からない不安がある。そもそも不法投棄ではないか。搬入段階から県には何とかしてほしいと訴えてきた。行政は何をしているのか、住民のことを考えてほしい」と憤る。
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その女性によると、2020年6月ごろ、社長らが自宅にあいさつに訪れ、農地を購入し、リサイクルの資材置き場にすると説明。その後、鉄板が敷き詰められると、トレーラーが運び込んだフレコンバッグをパワーショベルなどで積み上げていったという。
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別の女性(28)は「何の連絡もなく、ある日突然搬入が始まった。早朝から夜遅くまで行っていて、毎日地震のような震動が続いたので、県に通報した。昨夏はゴムが溶けたような異臭がした。一刻も早く、元の状態に戻してほしい」と語調を強める。
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撤去を求める住民の声は県にも寄せられているが、同課は行政代執行は考えていないとした上で「廃棄物に有毒物質が含まれているなどの事情がある場合は迅速な対応も検討するが、あくまでもごみを堆積させた行為者や産廃の排出元が撤去すべき」と言及。現在、排出元特定のための調査を進めており、判明すれば撤去を指導していくとした。
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ただ、その間にも何者かによる家電製品などの不法投棄もあり、同女性は「不届き者が勝手に捨てていく。ごみが新たなごみを呼んでいる」と嘆く。
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