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SBIHD・子会社融資の「甘さ」を指摘!
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第三者委、調査結果公表!
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SBIホールディングス(HD)は4月28日、子会社による融資仲介事業「ソーシャルレンディング」を巡る違法な勧誘行為について、融資先に対する審査が甘かったなどとする第三者委員会の調査結果を公表した。
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特定の融資先による複数の案件で、子会社「SBIソーシャルレンディング」が虚偽や誤解を生じさせる情報を基に投資家から資金を集めていたと認定。貸し付けの際の審査や事業監視が不十分で「経営トップのプロ意識が著しく欠如している」と指摘した。
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SBIは子会社による投資家からの資金の新規募集は当面停止し、2021年3月期連結決算に約145億円の損失を計上した。
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SBIホールディングス(株)は4月28日、SBIソーシャルレンディングが設置した第三者委員会から審査体制の不備などの指摘を受け、前代表の解任など社内処分や再発防止策の策定したと発表。また、ソーシャルレンディング事業からの撤退も視野に入れていることを明らかにした。
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同日、会見した北尾吉孝・SBIHD社長は「訴訟手続きをとって、司法で明らかにする」と述べた。質疑応答で北尾社長は「(ソーシャルレンディング事業について)新規営業はストップ、売却または退却し、残務整理をやっていく」とコメント。また、投資家の元本を保証していく意向も示した。
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子会社のSBIソーシャルレンディング(株)は今年2月、貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じている可能性を発表。第三者委員会報告によると、SBISLは横浜市内の不動産開発テクノシステム社に16億2600万円を貸し付け、21年2月頃に建物が竣工する予定だった。だが、21年1月時点で工事着工の事実は認められなかったという。
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SBISLが投資家に提示していた資金使途が、当初の計画にない支払いや他のファンドへの利息支払金として送金した可能性があることも判明。第三者委員会はSBISLに対して、資金使途に関する誤解を生じるような表示があったと指摘した上で、実効的な審査が行われず、適切なモニタリングを実施していなかった点も経営トップの営業優先姿勢を問題視した。
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第三者委員会の指摘を受け、SBIHDはSBISLの前代表取締役の取締役解任、取締役副社長を副社長から取締役に降格、役員報酬の返上や減額などの処分を明らかにした。
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事件発生以来、SBIHD、SBISLの第三者委員会の報告を待たなくても、ネット上ではテクノシステムの経営姿勢や、協業相手の玄海HDがテクノ社とどのような関係か情報が溢れかえっていた。
SBIHD、SBISLが発表した4月2日の不祥事で、テクノ社のファンド不正利用は具体的に把握していたはずだが、SBISL社長とテクノ社の馴れ合いから傷口が大きくなった事実を、会社自ら公表するのではなく第三者委員会という形をとって、第三者の目として報告書を作成したのであろう。
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SBIHD北尾社長としては、第4のメガ銀行構想のもと、新生銀行の株取得や、地方銀行と協業契約を進めるなど金融業界の高見を目指している最中の不祥事発生である。
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不祥事をどのように終結させるのか、順番を間違えるとMNEOマーケットの二の舞になる。SBISLが営業停止になると言うことは、SBIHD北尾社長が計画していることが水疱に帰することになるということだ。外部から指摘を受ける前に、内部から不祥事内容を公表し、自ら不祥事発生の子会社を処分すると同時に内部の管理不行き届きであると公表することで、投資家へ返金する事ができる。これら一連の動きは、対金融庁対策なのだと解釈できる。
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SBISL一社だけではなく、SL業界から同じような問題が続発していることについて、金融庁に一切責任はないのでしょうかね。金融庁は一応投資家の利益を守るための組織でもあるのですから、そろそろ何らかの法的な規制をかけた方がいいかもしれないですね。
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SBIはインターネット証券のSBI証券を中核に、ネット銀行など幅広い金融サービスを手掛けている。「事業拡大を急ぐあまり、企業統治が不十分」(金融庁幹部)との見方もあり、内部管理体制の強化が課題となっている。
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SBIHDは4月29日までにネット経由で投資家から募った資金を事業会社に貸し付けるソーシャルレンディング事業で、新規募集を停止すると発表した。子会社が運営する一部ファンドで投資勧誘の違反行為があったことを受けた措置。金融庁は子会社の内部管理体制に重大な欠陥があった可能性があるとみて、行政処分を出す方向で検討している。金融庁は子会社に金商法に基づく報告徴求命令を出しており、報告書の中身を精査した上で業務改善命令や業務停止命令を検討する。SBIHDは2021年3月期に約145億円の特別損失を計上したと明らかにした。投資家に元本相当額の償還を進める。子会社について、将来的に「売却や撤退なども検討している」としている。
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SBIHDは子会社SBISL取締役の織田貴行前社長を解任するなど社内処分を実施した。ファンドの投資先企業については、提出書面に問題があった可能性があるとして、訴訟を含む法的措置を講じる方針。出資者には元本を全額返還する。新規募集は当面控え、事業撤退も視野に入れる。報告書には、ファンドは太陽光発電事業などを資金使途としていたが、6割が別の目的に充てられていた。SBISLでは上場に向け過大な目標が設定され、トップの独断専行で融資を実行していた。端的に言えば、SBIHD生田社長の野望に沿った背伸び商法が、maneoマーケットと同じ融資先の調査管理ミスを犯したのだ。
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将来的に全国10行以上と資本・業務提携すると公言するSBIHD、5月13日現在、20行と共同店舗出店が成立と公表。「地銀連合構想」が大言壮語ではないと信ぴょう性を持ち始めたのは、金融庁と急接近しているからだ。同庁OBを次々にスカウトし、同構想を推進する事務局長に、地銀を監督する銀行第2課元課長の長谷川靖氏を招く人事を固めた。金融庁も頭痛の種である「限界地銀」に手を伸ばすSBIの存在を認知せざるを得なくなってきた。
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今は業務がストップしているmaneoマーケット。2018年7月13日に金融庁から「業務改善命令」が出され、その後、NexusBankの100%子会社SAMURAI証券の系列下に入り、その管理下で融資先の債権回収を業務としている。
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いくら金融庁から天下りを入れても、行政指導が免除されるわけではない。業界他社への警告を示す必要もあり、maneoマーケットと同様の「業務改善命令」が出されるだろうが、その中身が問題で、厳しい言葉であっても金融庁への報告内容に関しては軽くなるのではないだろうか。
通常なら5月下旬から6月上旬であろう。
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