東電も関電も・電力ひっ迫:「95~98%」の異常さ!

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LNG不足が直撃と発電所トラブルが!
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市場価格は急騰!
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年明けから、各地で深刻な電力不足が生じている。関東地方や静岡県、山梨県をカバーする東京電力パワーグリッドの公式サイトによると、同社サービスエリア内で連日低温となったことが理由のようだ。
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東京電力パワーグリッドの指標では、電力使用率が93%未満であれば「安定的」だ。ところが2021年は1月3日に95%「厳しい」を記録した。近畿地方中心の関西電力管内では、1月8日16時台に98%にまで達した。
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東電の融通電力の受電について、1月8日に他の一般送配電事業者から電力を受電するよう指示を受けましたので、お知らせいたします。とあり、連日の低気温の影響により電力需要が増加し、LNG火力発電所が計画を上回る稼働を継続していることで燃料在庫が減少したため、発電事業者の持続的な供給力(発電電力量(kWh))が低下し、年明けから厳しい電力需給状況となっていることから、安定供給を確保するために他の一般送配電事業者から電力融通を、東北電力ネットワーク株式会社から<1月8日(金)1:00から5:30 最大157万kW>受けた。
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<1月7日(木)0:00から6:00 最大32万kW>
東北電力ネットワーク株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社
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<1月7日(木)6:00から11:00 最大10万kW>
中部電力パワーグリッド株式会社
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<1月4日(月)0:00から14:00 最大100万kW>
北海道電力ネットワーク株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社から受電
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<1月4日(月)14:00から24:00 最大60万kW>
北海道電力ネットワーク株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社、四国電力送配電株式会社、九州電力送配電株式会社から受電
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<1月3日(日)2:00から10:00 最大60万kW>
中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社、中国電力ネットワーク株式会社、九州電力送配電株式会社から受電
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<1月3日(日)11:30から22:00 最大90万kW>
北海道電力ネットワーク株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社、中国電力ネットワーク株式会社、四国電力送配電株式会社、九州電力送配電株式会社から受電
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低気圧や寒波の影響で西日本の平地などでも雪が降り、需給が厳しくなり電力融通も“綱渡り”だった1月12日、電力会社はほかの電力から融通してもらった。関西電力は中部電力や東北電力など5つの電力会社から17回も供給を受けた。
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同じ12日、四国電力も6つの電力会社から13回融通。中国電力も4社から9回供給を受けている。
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各電力は自前の発電所を最大出力で運転。また、企業の工場自家発電からも調達した。加えて「ネガワット取引」として、厳しい気象条件時に大口の需要家が電力使用を減らすことで供給余力の確保に協力する契約も使って、余力確保をした。
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そこまで対応しても、12日の電力各社の使用率のピークを見ると、関西電力は99%、東北電力や四国電力も97%を超えまさに“綱渡り”という状況だった。
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深刻な電力不足と電力市場の高騰は少なくとも1月末まで続くようだ。最大の要因であるLNG(液化天然ガス)の不足なのだが、なぜ起きたのか。背景には、電力自由化や再エネの拡大といった電力システムの変化がある。発電事業者が適正なLNG調達量を判断しにくくなっていたという。
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2020年12月末に顕在化した電力不足は新年に入ってから深刻さを増し、いつ停電が起きてもおかしくない綱渡りの状況が続いている。
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原因の1つには、寒波による冷え込みで電力需要が増加したこと。2つ目は、火力発電燃料のLNGの不足である。需給ひっ迫とJEPX価格の高騰を招いた最大の要因はLNGの不足にある。中国と韓国によるLNG輸入量の増加、産ガス国での生産設備トラブル、新型コロナ影響によるパナマ運河の通関手続き遅延などが絡み合っている。
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国内エネルギー企業で圧倒的な事業規模を誇るのが、東京電力グループと中部電力の燃料・火力部門を統合したJERA(東京都中央区)、国内の火力発電所の約半分をも保有している。LNGの年間取扱量は世界最大規模の約3500万トン。もちろん国内では圧倒的な大手である。
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LNGの調達量を原因とする電力不足の原因を、JERAの調達量が少なかったからLNGが不足したとか、JERAが在庫薄の状況で冬に突入したのが原因だという話が出ている。
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電力システム改革によって、JERAを筆頭とした発電事業者が電力需要を把握できなくなっていたことが原因のようだ。
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2020年10月12日に、2020年9月から2021年3月の見通しとして「ラニーニャ現象が続く可能性が高い(70%)」としている。東太平洋の赤道付近(ペルー沖)の海水温が、基準値よりも0.5度低い状態が続くと低い状態が続くと「ラニーニャ現象」と呼ばれ、東風が平常時よりも強くなると、西部に暖かい海水がより多く(厚く)蓄積し、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。このため、東側の海面水温は平常時よりも低くなります。ラニーニャ現象が発生すると、インドネシア近海の海上では低気圧の発生がより活発になる。
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予報では?降雪のピークは広範囲で12月末~1月上旬、強い寒気の影響で大雪に注意?と出ていたのだが、、、。
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ラニーニャ現象時には夏の暑さ、冬の寒さが厳しくなるとされており、冬の天候は統計的に目立った特徴はないものの、偏西風の蛇行を引き起こして、日本付近に寒気の流れ込みやすいパターンになる。12~2月にかけての冬の降雪量は平年並みか多い予想となっています。3シーズンぶりに雪が多くなる可能性があり、雪への備えをしっかりと行うようにしてください。という予報であったにも関わらず、電力会社は対策を立てていなかったようだ。
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2021年は、2020年の夏より厳しい高温となりそうだが、冷房使用量が高くなりそうだが、対策は大丈夫だろうか。。
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