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8年連続増・コロナ感染拡大で投資抑制!
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財務省が10月30日発表した2019年度の法人企業統計は、企業が蓄えた内部留保に当たる利益剰余金が前年度比2.6%増の475兆161億円となり、8年連続で過去最高を更新した。消費税増税や新型コロナウイルス感染拡大による景気の先行き不透明感を背景に、企業が投資を抑制し、内部留保が一段と積み上がった。
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19年度の全産業の経常利益は14.9%減の71兆4385億円。リーマン・ショックがあった08年度以来の下げ幅となった。売上高は3.5%減の1481兆8986億円だった。設備投資は10.4%減の44兆394億円となった。
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麻生財務相が、内部留保の厚みがコロナ禍の直撃を「結果論として耐えるだけの体力につながった」とも言っている。これは、「完全終息まで力を温存」という企業判断でもあろう。
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マクロでは、貯蓄過剰が常態化する西欧では金利は当然下がる。貯蓄が潤沢にあるから、消費や投資の資金需要は減り、資金が動かなくなることで金利が低下するのは当然のことである。
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麻生財務相は、内部留保の増加でリーマンショック時と比べれば自己資本比率が急激に上がり「銀行なんかは、それはそれなりの値打ちはあった」としながらも、「もう少しこれが設備投資とか給与とかに回ってしかるべきではないかというのはわれわれの希望的観測」とも語った。
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