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輸出国は少なく・輸入国は多いが!
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取引の闇ルートも存在する!
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ひっ迫する世界の「砂」事情:日本も状況は同じ! 9.25.にも書いたが、砂の需要は2014年に危機的状況と言われてから状況は悪化する一方だ。この時期、世界で採取されている砂の量は150億トン、水も貴重品になり始めたが、砂は長い間人類にとって最も消費量の多い商品と言える。
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我々は知らない間に砂の恩恵を受けている。様々な飲料品に使われている二酸化ケイ素の原料は砂である。ワインには添加物として、食品の乾燥剤、歯磨き、洗剤、トイレットペーパー、ヘアスプレーなど数え上げればきりがない。高品質な砂は電子産業のシリコンチップにも使われ、航空機のジェットエンジンの軽合金、タイヤ、塗料、プラスチックと恩恵は山ほど受けている。
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はじめは川砂が主であり、陸上砂であったが使用範囲の増加とともに世界の河川からは取り尽くされ、次に標的にされたのは海岸砂、海底の砂であったが巨大な海砂採取船が出現し1日数十万m3も採取できる採取船により世界の海から砂が吸い上げられた。
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砂を必要とした国は米国であり中国、アラブ首長国連邦のドバイの埋め立て(ザ・バームやザ・ワールド)、造成には風により丸みを帯びた砂は向かない、これに変わる砂はオーストラリアから1億5000万トンも輸出されている。2017年でも120万トンの砂を海外から輸入している。
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シンガポールの領土拡大の埋立事業も2030年まで続き、埋め立ての砂は近隣諸国に依存しているが、インドネシア、ベトナム、マレーシア、カンボジアは輸出を禁止しているがシンガポールの輸入業者は不正取引ルートを確立し近隣諸国から輸入を続けている。
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はじめにも書いたが、2014年の砂の砂の採取量は年間150億トン、国連環境計画の同年のレポートでは260~300億トン砂が生コンミキサーに投入されていると出ている。いまでも世界では毎年300億トンもの砂が生コン製造に使われているという。コンクリートに大量に使用されている砂。このように貴重な資源であるにも関わらず、石油や石炭、穀物、粗鋼などのように世界でどくらいの消費があるのか公的なデータは存在していない。
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米国のコンクリートコンクリート製造時の比率は、砂はセメントの10倍、となっており、それを基にして算出した世界の消費量は推定500億トン(国連環境計画2019年)とレポートしている。
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国家間の砂取引に関してはまるで闇の中、中国は大量の砂輸入国でありながら、数量に関しては正確な数字は判明していない。
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日本の砂の輸入は2018年の1年間で、130万トン。2001年からの累計で5160万トンとなっている。2007年、日本の輸入相手国であった中国が輸出を禁止した。現在は、オーストラリアから総輸入量の75%を輸入している。これは、あらゆる種類の天然砂であるが、金及び白金含有砂、ジルコン、ルチル砂、イルメナイト砂、モナザイト砂、タールまたはアスファルト砂は除く。
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日本国内の砂採取量は法規制も厳しくなり、2016年度の砂の採取量は約7万2000トン。中国が輸出禁止した2007年度は10万5800トンであったから、実に3割の減少となってしまった。
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高くなったと言っても他の資源から比べると、砂は非常に安いのも事実だ。代替資源候補は幾多と出てきても価格で太刀打ちできない状況であるが、確実に値段は上昇している。生コンに使用される砂は「地産地消」型が多く、輸送費に左右される状況であることは間違いなく、骨材の調達状況では生コンの価格にも影響する。
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そのような中、粗悪砂が出回っているのも事実だ。
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生コンクリート製造で、スランプにもよるが、1m3(重さ約2300kg)製造するのにセメント322kg、砂0.86m3、砂利0.93m3、水174kg、混和剤0.8kg。
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