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世界に配備する軍事基地負担費が重荷!
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355隻体制になるのは2050年!
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トランプ大統領は2016年の大統領選挙期間中から350~355隻艦隊建設を広言している。中国海軍が追い抜こうとしている現在、「偉大なアメリカの再現」を公約としている。
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大統領就任後、355隻艦隊の建設は法制化されて、2017年当時280隻ほどであった米海軍戦闘部隊編成用艦艇を355隻に増強することは、海軍や国防総省、そして予算を決定する連邦議会にとっての義務となった。
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もちろん軍艦の建造は数カ月で完成するような事業ではない。3年経った現在、莫大な軍艦建造費が投入され始めている。
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アメリカ海軍が保有している戦闘用艦艇戦力は296隻(米海軍公表9月3日現在:戦略原潜14隻、攻撃原潜54隻、空母11隻、強襲揚陸艦10隻、巡洋艦22隻、駆逐艦69隻、沿海域戦闘艦22隻、輸送揚陸艦23隻、掃海艦8隻、戦闘補給艦30隻、その他の支援艦艇33隻。
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軍艦建造に携わる造船メーカーは、新造艦の建設以外にも大がかりな修理やメンテナンスなどもこなさなければならない上、造船所施設の老朽化や熟練技術者の減少などの問題に直面に加えて、新型コロナウイルス感染の拡大により、造船所のフル操業も困難となっている。
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トランプ大統領が主導する現在のようなペースで建造を続けていくことができたとしても、退役する軍艦の数を計算に入れると、アメリカ海軍が355隻艦隊が出来上がるのは2050年というのが現状だ。
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艦艇の総トン数で比較するならば、超大型空母や強襲揚陸艦、それに巡洋艦や駆逐艦など比較的大型の軍艦を多数保有しているアメリカ海軍のほうが中国海軍を上回っている。が、中国海軍も大型駆逐艦を生み出し、空母や強襲揚陸艦も続々建造中であり、総トン数においてもアメリカ海軍が追い抜かれるのは時間の問題だ。
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艦船数や総トン数以上に深刻な問題は中国新鋭艦艇の戦闘能力の飛躍的向上である。中国海軍艦艇には米海軍や海上自衛隊艦艇よりも強力な各種ミサイルが積載されている。中国海軍がまさに「質・量」共に世界最強の海軍の座をアメリカ海軍から奪う日が迫りつつある。
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日本も、中国海軍の現状を直視し、少隻数であっても対峙したら犠牲も大きいと認識させることが肝要だ。
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