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ソフトバンクG出資、「新型コロナが打撃」!
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株価下落は本体にも悪影響が!
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ソフトバンクグループ(SBG)が出資する英衛星通信企業「ワンウェブ」は3月27日、米連邦破産法の適用を申請したと発表した。新型コロナウイルスによる金融市場の混乱などで資金調達が難しくなり、資金繰りに行き詰まったという。
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ワンウェブは人工衛星を打ち上げ、世界の様々な場所で高速インターネットを使えるようにする計画を進めてきた。米CNBCテレビによると、SBGはワンウェブに約20億ドルを投じる筆頭株主だが、新たな資金支援は難しいと判断したという。ワンウェブは「新型コロナウイルスによる経済的な打撃が今回の結果を招いた」としている。
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ワンウェブは、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請した。新型コロナウイルスの感染拡大で資金の調達が困難になったためとしている。SBGは2016年12月にワンウェブに10億ドル(約1000億円)出資すると発表。その後、同業大手インテルサットとの合併を前提に合併新会社に17億ドルを投資する計画だったが、交渉は破談になった。
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ワンウェブは米IT大手グーグルの出身者が立ち上げ、衛星の打ち上げなどを手掛けていた。創業者はグレッグ・ワイラー。 当初はワールドビュー・サテライト(英) として設立されてGoogle傘下に属しており、本部はチャンネル諸島セント・ヘリアに登録されていた。 ソフトバンクグループが19億ドル出資し、ワンウェブ株式の5割近くを保有していた。
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「あと少しで資金を得られるところだったが、新型コロナによる市場動乱で進まなくなってしまった」。ワンウェブは27日に発表した資料で無念さをにじませた。衛星通信を使った広範囲なネット通信網の商用化に向け、2020年初めから20億ドルの資金調達を目指して交渉を進めていたという。だが新たな投資家を確保するまでのつなぎ融資を巡り、SBGと条件で折り合えなかった。
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ワンウェブには航空機欧州大手のエアバス、半導体のクアルコムなども出資しているが、SBGが株式の5割近くを握る筆頭株主だ。国内の通信子会社のソフトバンクとも業務提携している。
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通信衛星を使った安価なインターネット通信網で21年の商用化を目指し、すでに74基を打ち上げてきた。ただ通信衛星はアマゾン・ドット・コムなどの大手が参入し、競争環境が激化。アドリアン・シュテッケル最高経営責任者(CEO)は「他社より打ち上げ高度が高く、(通信の)カバー範囲も広い」と技術力の高さを自負するが、衛星の打ち上げ費用がかさむなどして資金繰りが悪化していた。
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SBGがワンウェブの追加支援に踏み切らなかったのは、足元の市況悪化の影響が大きい。2月下旬以降の株式市場の急落で、SBG自身も株価の下落に見舞われた。23日には自己株式取得と負債削減に向けて4兆5000億円の資産を売却または資金化すると発表。投資先に対しても従来の積極的な拡大路線よりも、守りを固める姿勢が目立つ。
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SBGが主導して経営再建を進めるシェアオフィス大手、ウィーカンパニーの苦境が深まっていることも、SBGの投資姿勢に変化を及ぼしているとみられる。19年10月、経営難に陥った大口出資先のウィーカンパニーに対し、SBGは協調融資(シンジケートローン)や社債発行による50億ドル分の金融支援策等を発表。幹部人事も刷新し、シェアオフィス「ウィーワーク」の事業に集中して不採算物件の削減などを進めている。
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格付け大手のS&Pグローバル・レーティングスは23日、ウィーの信用格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルCプラス」に引き下げ、債務不履行になる可能性を示唆した。世界景気後退に伴って事業が滞れば、資金の流動性リスクが高まることを理由に挙げた。外出制限と格下げでウィー社債の利回りは急上昇した。18日には35%、23日には36%をつけた。発行当初の金利は年7.875%で、価格は発行時から6割超下落した。
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ウィーは26日、SBGから約束されている支援分を含めて44億ドルの現金を確保しているとして、健全性を強調したが、SBGが全面的に支援する中での格下げは痛手だ。市場や景気の低迷が長引けば、SBGが出資先に対して従来より厳しく「損切り」を迫られる可能性がある。
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マイナス影響が広がれば、SBGの収益は悪化する。約90社に投資するビジョン・ファンドの投資先企業価値が下がれば、その差分がSBGの営業利益を押し下げる。同ファンドが出資する上場企業では8社中4社の株価が昨年末比で下落。大型投資先の米ライドシェア、ウーバーテクノロジーズは8%安となった。
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2019年10~12月期のファンド事業の営業損益は2251億円の赤字と2四半期連続の赤字計上だった。赤字額は7~9月期の9702億円から縮小したが、コロナ禍の影響で損益が悪化する可能性がある。
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ファンドは投資資金10兆円のうち、外部投資家が拠出する4兆円について毎年、元本の7%を優先的に固定配当する仕組みだ。単純計算で毎年2800億円。投資回収が進まなければ、配当を支払うため、ファンドは追加の資金手当てを迫られる可能性もある。
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孫正義会長兼社長はウィーカンパニーへの追加支援の際に「(今後、投資先への)救済投資は実施しない」と明言しており、SBGはワンウェブの支援に動かなかった。
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