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1兆2千億円の報復関税の準備に入る!
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EUも対抗措置を検討!
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トランプ米大統領は4月9日、欧州連合(EU)が航空機大手のエアバスに支給する補助金が不当だとして「110億ドル(約1兆2千億円)分のEU製品に関税を課すつもりだ」と表明した。米通商代表部(USTR)も8日にEUへの報復関税の準備に入ると発表しており、米欧の貿易摩擦が強まる懸念がある。
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トランプ氏はツイッターに「EUは貿易面で米国を長年出し抜いてきた」などと投稿して、EUへの強い不満を表明した。米国は巨額の貿易赤字を抱える中国と通商交渉を進め、日本とも近く貿易交渉を開始する。ただ、EUとは農業市場の開放を巡って事前協議が難航し、本格交渉のメドが立たない。トランプ氏は制裁関税を材料にEUへの圧力を強めており、貿易戦争が欧州に飛び火するリスクがある。
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米欧は航空機への補助金を巡り対立が続く。EUも米ボーイングへの米国の補助金が不当だとして世界貿易機関(WTO)に提訴し、2019年3月にEUの主張が認められたばかりだ。
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米欧は多くの火種を抱えている。トランプ氏はツイッターに「EUは貿易面で米国を長年出し抜いてきた」などと投稿し、強い不満を表した。
米通商代表部(USTR)は8日、エアバスへの補助金で米国企業が110億ドルの損害を被ったとして、報復関税を課す対象品目の原案を公表していた。
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これを受け、EU報道官は「世界貿易機関(WTO)ルールのもと、報復の権利を行使できるよう準備している」と表明した。EUも米国の米ボーイングへの補助金が不当だと主張してきた。
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一方で同報道官は「EUは米国との議論にオープンだ」と強調した。フランスのルメール経済・財務相も「世界の成長の現状をみれば、貿易紛争をする余裕は我々にはない」と歩み寄りを探るべきだとの認識を示した。
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トランプ政権は2018年に過去最大の貿易赤字となったEUに不満を強めており、様々な手段で圧力をかけている。18年7月の首脳会談で自動車を除く工業品の関税撤廃交渉に入り、協議中は米国が自動車関税を棚上げすることで合意した。しかし農産品を協議対象に含めたい米国と、工業品に限定したいEUとで意見が食い違っており、交渉入りが遅れている。
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