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F35を搭載・中国などけん制か!
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しかし・2021年まで配備されず!
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英国のギャビン・ウィリアムソン国防相は2月11日、首都ロンドンで行った講演で、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を太平洋地域に派遣する意向を明らかにした。中国の海洋進出をけん制するとともに、EU離脱後の世界戦略として、太平洋地域での同国の影響力を増す狙いがあるものとみられている。
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ウィリアムソン氏は英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)で講演し、軍拡を復活するロシアや経済力を背景に軍の近代化を進める中国を名指しして警戒感を表明。「国際法を無視する者への行動」が必要として、空母派遣を通じて「われわれの安全と繁栄の礎となっているルールに基づく国際秩序を支えるために、必要ならば世界での国益を守るためハードパワー(軍事力)を行使する」と強調した。
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『ロイター通信』『インディペンデント』などの報道によると、ウィリアムソン英国防相は、中国とロシアを名指しし、両国の軍備増強は国際秩序にとって危険であると警戒感を示し、EU離脱後、厳しい対抗措置を取ることが必要であると強調した。但し、空母の派遣日程や、そのための長期的な予算措置などの詳細については余り触れなかった。
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中国は南シナ海で海洋進出を進め、近隣諸国と領有権争いをしている。米国は11日、ミサイル駆逐艦「スプルーアンス」と「プレブル」を南沙諸島に派遣し、再び「航行の自由作戦」を実施した。横須賀の米海軍第7艦隊が発表し、中国はすぐにこれに反発した。
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ウィリアムソン英国防相は、クイーン・エリザベスの最初の任務には、こうした中国の行動をけん制するために太平洋地域を航行することの他、地中海や中東周辺の海域での活動も含まれると説明した。そして同空母には、米英2戦隊の最新鋭戦闘機F35が搭載されることになるという。
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同国防相は、「ブレグジット(EU離脱)は、わが国の歴史に素晴らしい機会をもたらしてくれる。その機会に我々は世界でのプレゼンスを強化しなければならない。」と述べた。また、テクノロジー戦、転覆工作や宣伝活動などが多用されて、平時と戦時の境目が曖昧になりつつあり、英国や同盟国は、世界的な利益を保護するために、軍事力を背景にした力を用いる備えを整えておかなければならないと主張した。
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同国防相はまた、ロシアに対抗するために、トランプ米大統領のNATO加盟国に対する国防費の増額要求に応え、米国と緊密に連携していく必要性を訴えた。NATOでは国防費を国内総生産(GDP)の2%とすることを目標に掲げ、英国はこれを達成している僅か数カ国の内の1つだ。しかし、その金額は米国の13分の1、中国の5分の1にとどまる。
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英首相官邸は、ウィリアムソン国防相の講演内容について、クイーン・エリザベスは2021年まで配備されず、航行については首相が最終的に決定すると説明した。そして、中国は建設的な関係を有する国として配慮を示し、国防相発言とは距離を置く立場を表明した。
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