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産廃15トンを回収!
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5年間で164件確認!
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世界文化遺産となっている富士山麓で、がれきや残土など産業廃棄物の不法投棄が後を絶たない。首都圏などから交通アクセスがよく、人目につかない原野や山林が多いことが主な原因とみられるが、投棄者を特定することが難しく、原状回復もままならない状態となっている。
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世界遺産エリア内の静岡県富士宮市山宮の山林で10月5日、県産業廃棄物協会富士支部による産廃の回収作業が行われた。地中数メートルを掘り起こし、建設がれきや廃プラスチック約15トンを回収した。
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実はこの土地、昨年、盛り土からコンクリート片やタイルなど約45トンの産廃が見つかり、回収したのだが、その後、平らにした土を掘り返してみると新たに産廃が見つかったという。投棄場所は県道からわずか10m余り離れたところだが、投棄者は不明で、同協会が県の助成金60万円を利用して回収した。
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県によると、2017年までの5年間の県内(静岡、浜松市を除く)での不法投棄は164件確認され、特に富士山の周辺市町で件数が多くなっている。投棄者が判明したのは32件のみだ。県もパトロールを実施しているが、発見しても投棄から時間がかなり経過していると、特定も難しいという。
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不法投棄物の回収責任は基本的に排出事業者や運搬業者が負い、不明な場合は土地所有者や管理者の努力義務となっているが、費用の面から、なかなか撤去が進まないのが現状だ。
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