.
韋駄天の会・毎週木曜日開催!
.
.
自民党総裁選が9月7日告示、9月20日投票と正式に決まった。前回選挙(2015年)は安倍首相が無投票で再選されたため、候補者が争う総裁選は2012年以来9年振りだ。
.
総裁選は、国会議員票・405票、地方票・405票の計810票で争われる。この総裁選後に、2019年春の統一選挙、参議院選挙と連続する。
.
数は力なり。全ての議員はこの数の力を背景に、自らの派を結成し、或いは強い派閥にすり寄り、猟官に有りつくという呪縛から逃れることはできない。安倍一強が続く自民党内ではポスト安倍を見据え、派閥のツバぜり合いが続く。その中でも、群れることを善しとしなかった菅義偉官房長官も例外ではないという。
.
自民党の新派閥誕生についてみても、派閥は数の力であることが良くわかる。麻生太郎副総理が率いるこのグループは、麻生派44人と山東派11人が合流し、谷垣グループからも数人が参加する見通し。実現すれば、額賀派55人を抜き最大派閥の細田派に次ぐ、党内2位の規模の「新麻生派」が誕生したのだ。
.
永田町雀は、「新派閥形成の動きは、ポスト安倍を見据えたものです。2017年2月には、表舞台から姿を消した甘利明前経済再生相が神奈川県地盤の議員3人を引き連れ参加したが、面白くないのは甘利さんと同じ神奈川が地盤の菅官房長官。派閥結集で地元に麻生派の息のかかった人間が多くなりますから」
.
菅氏の立場を察してか、甘利氏が「新麻生派」へ入る際は、安倍総理が直々に仲介の労をとったという。
.
党関係者曰く、「菅氏と麻生氏、甘利氏が総理に呼ばれましてね。総理が“菅ちゃん、甘利さんが麻生さんのところに入るけどいいよね?”と言われたそうです。菅さんは頷くしかなかったそうですが」
.
半ば強引に仁義を切られた格好となったが、総理に忠誠を誓う菅氏も手を拱いてはいない。「菅さんは、2年半ほど前から、3期生以下の若手20名程を中心とした『偉駄天(いだてん)の会』という勉強会を開催しています。他にも、現職副大臣や政務官、そのOBらと行う勉強会を主催し、各方面に子飼いの議員を集めているのです」
.
この勉強会はどこか秘密結社めいた趣もあると、先の関係者は明かす。
.
「菅さんは冗談めかして“会のことは口外しないで”と言っているようでね。政務官に抜擢された参加者もいたので、人事権を握る菅さんに取り入ろうと入会希望がありましたが、菅さんの意向で大っぴらにしてこなかったのです」。が、「新麻生派」結集に合わせて、「偉駄天」への勧誘が活発化しているのだ。
.
ある若手代議士によれば、
「菅さんに近い議員から勉強会の誘いを受けました。私が他の派閥に入っていると知ると、“じゃあ、いいや”と言われましたけど……」
.
派閥に属さない「偉駄天の会」のメンバーを中心とした会合が始まり、木曜昼に定期的に開かれているという。
.
「自民党の各派閥は木曜昼に例会を行いますが、派閥を跨いで参加するのは厳禁。ですから、木曜に会合を設定したのは、菅さんの派閥結成への布石ではと囁かれています。そういった見方を警戒してか、これまで菅さんは一度も姿を現していません」(政治部記者)
.
菅氏は過去に安倍総理から“派閥を作らないか”と持ち掛けられても、それを否定し忠実に守ってきた。
.
「麻生さんに対抗し派閥結成となればポスト安倍に野心を出したことになる。今は“菅チルドレン”らに動いて貰い、来たるべき時には派閥も作れる布陣を敷く。そうやって、じわりと動くのが菅さんなんです」(同)
.
深謀遠慮が似合う菅氏らしい。
.