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政敵長老の弱みを握って籠絡し!
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市井の反対派は逮捕し、投獄する!
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中国の習近平国家主席の肖像画に突然、墨汁のようなものをかける若い女性。この動画は、習主席の独裁的な政治に反対する女性が、SNSに投稿したもの。中国では今、このように習主席への反発が起きているという。
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北部のリゾート地・北戴河で、毎年夏に開かれる最高指導部や長老らによる非公式会議「北戴河会議」。中国共産党の指導部や長老らが河北省の避暑地に集まり、人事や重要政策について非公式に議論する「北戴河会議」が8月に入ってから例年通り始まったが、今回は、習氏に対する個人崇拝の動きが一転して抑制され始めたきっかけは米中貿易摩擦の泥沼化だ。習氏は経済政策の実権を李克強首相から奪い、対米交渉もブレーンの劉鶴副首相に一任しており、状況悪化の責任は不可避といえる。また自国礼賛映画「すごいぞ、わが国」などに象徴される、低姿勢を貫く外交路線「韜光養晦(とうこうようかい)」からの脱却が、米国の対中警戒心をあおってきた側面もある。
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つい先日終了したこの会議では、中国国内の反発を反映してか、緊張したやり取りがあったと伝えられている。新華社電によると、陳・中央組織部長には胡春華副首相が同行した。陳氏は専門職員らに対し、「強い愛国心」を維持し、「中国の偉大な復興」の実現に貢献するよう呼び掛けた。
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「一強」体制を確立したともいわれている習主席を脅かしかねない事態であったのだが、、、。
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北戴河会議の中身は、終わってからしばらくして徐々に漏れ伝わってくるものなので、今の段階でどのような議題があがり、どのような攻防が展開されているかは不明である。ただ8月4日に北戴河会議と並行して、中国社会科学院・工程院院士62人を招いた座談会が開かれていることが、会議の中身と何らかの関係があるやもしれない。
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今回の北戴河会議では、党・軍・政府の高官だけでなく、いわゆる座談会に参加した知識人にも習近平に対する忠誠を表明させるのではないか、といわれている。つまり、習核心および習近平への忠誠は党、軍、政府だけでなく知識人にも徹底される、という。
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例年に比べて長老の集まりはよい。だが、この長老たちは習近平を追いつめるのではなく、アンチ習近平派をなだめて党内和諧ムードを醸成するための役割を果たした、という。一部長老たちの弱点である出来の悪い子供たちをうまく取り込んで、長老たちの団結をくずし“習近平おろし”の流れを封じ込めたのではないか、ということだ。
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長老、太子党、党中央、メディア、軍部、知識人層にアンチ習近平派が存在するのは間違いない。
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胡錦濤の息子である胡海峰は浙江省麗水市の書記に取り立てられ、すでに習近平派の一員である。胡海峰は胡錦濤の出来の悪い息子であり、政治家としてもビジネスマンとしても成功できず、最終的に習近平のコネで浙江清華長江デルタ研究院の党書記職に就いた。
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李鵬の息子の李小鵬は、やはり習近平に取り込まれており交通運輸部長職に就いているが、8月7日から習近平の特使としてコロンビア大統領就任式に出席している。李小鵬は李鵬の跡を継いで、電力利権にからんでおり、腐敗の噂の絶えない人物であり、政治家としても例えば山西省省長就任1カ月の間に深刻な安全生産事件を5件も起こしても、十分な対応策がとれずに実務能力の低さを露呈している。
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今回の北戴河会議には、今の米中貿易戦争の行方と、習近平政権の権力一極集中に反発する「内ゲバ」が焦点になっていたが、今年は未曾有の警備が配備されており、習政権の独裁度をよく示している。民主派活動家、人権派弁護士たちなど、北戴河会議で政府を批判しようとする活動家はすぐに「強制送還」された。
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今回の会議で、王滬寧氏(党中央政策研究室主任)がやり玉挙げられているため、会議には出席しませんでした。王滬寧とは、今まで習近平の側近であり、習近平政権のプロパガンダの任務を担ってきた人物。なぜ、出席しなかったか。
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米中貿易戦争が始まると、中国各地に大量の街宣車が「米国製ボイコット、打倒トランプ米帝国主義」と拡声器で叫び回りました。「ケンタッキーフライドチキン」などのアメリカのチェーン店の前で行われた過激な反米デモには、中国政府が雇った市民らを紛れ込ませて大衆を扇動していましたが、それに“洗脳”されて自発的にやった一般人もいました。さらに騒動に乗じて「愛国商売」を銘打って、反米のメッセージをアピールして、集客する商人さえ出てくる始末。このような活動が、たくさん撮影されて中国のネット動画にアップされた。
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誰の作戦にせよ、習近平が最終的に責任問題の筆頭にあげられる前に、王滬寧氏を「トカゲのしっぽ」として処分下のかもしれない。トランプ大統領が、経済戦争で中国を高圧的に攻めれば、中国共産党の内部では比例して激しい権力闘争が起こされることを今回の北戴河会議は証明した。習近平政権の崩壊か、さらには中国共産党政権の崩壊が足音もなく迫ってきているのかもしれない。
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