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官製談合事件受け「総合評価落札」見直し!
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官製談合不祥事防止策!
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千葉市発注の工事を巡る官製談合事件を受け、同市幹部職員らで構成する「市コンプライアンス委員会」(委員長・鈴木達也副市長)は6月6日、全庁的な不祥事防止策を発表した。入札金額を調整できないよう入札事務の手続きを見直すとともに、新任部長へのコンプライアンス研修の実施などを盛り込んだ。本年度中に順次、各対策を実施するとしている。
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同事件は、市発注の道路工事などの制限付き一般競争入札(総合評価落札方式)で、建設局緑土木事務所の元所長=部長相当、懲戒免職=が予定価格や入札業者の技術評価点を特定の業者に漏らしていたとして逮捕、起訴され、千葉地裁から有罪判決を受けた。
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鈴木副市長が市役所で会見。防止策では、技術評価点の算出に必要な書類の提出期限と入札締め切りを同じ日とするように、来年1月をめどに同方式の運用を見直すとした。入札後に技術評価点を算出することで、入札金額の事前調整が不可能になり評価点が漏えいしても入札価格に反映できなくなるとしている。算出も工事担当課と別の課に項目を振り分けることで、工事担当課に情報が集中することを防ぐ。
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予定価格の漏えい防止策としては、設計書を保管する際のパスワード設定や印刷する際の適切な保管・処分を義務化する。市は「100%の対策は難しい。今後、情報漏えいリスクのさらなる低減を図りたい」とし、工事担当課が入札参加者を特定できない「自動採点システム」の来年度導入も検討していく。
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千葉市は6月6日、不祥事防止策を発表した。入札情報が漏えいしないよう現在の「総合評価落札方式」を見直し、その他の不祥事を防止するための全庁的な対策も盛りこんだ。
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同市は、工事契約のための一般競争入札で、入札価格と技術評価点を総合的に考慮して落札者を決定する「総合評価落札方式」を採用。業者から技術提案書が提出され、技術評価点を決めた後に入札を締め切っていた。事件では、当時の同事務所長が他社の技術評価点などを業者に漏らし、業者は他社より高くても確実に落札できる金額で入札していた。
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防止策では、技術提案書と入札の締め切りを同じ日とし、技術評価点が漏れても入札価格に反映できないようにする。10月にガイドラインを改訂し、年明けにも運用を始める。
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また、これまで市土木部幹部が技術審査会で技術評価点を決めていたが、今後は工事の実施計画に関わる技術点のみ決め、工事成績や地域貢献などに基づく基礎点は工事担当課以外の職員が付ける。佐藤寿之建設局次長は「100%ではないが、今できる措置は全て盛り込んだ」と話す。
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他にも懲戒処分の情報を共有して注意喚起を図ったり、気軽に悩みを相談できる窓口を設置したりする。
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同市では2016年にも市下水道施設設計事業を巡る官製談合事件があり、他にも職員の不祥事が相次いだことから、4月に全庁的な組織として「コンプライアンス委員会」を設置し、防止策を検討してきた。
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※主な不祥事防止策
・工事担当課が入札参加者を特定できない自動採点システムを構築
・入札参加者からの質問窓口を工事担当課から契約課に変更
・談合に関与した業者は5年間、評価点を減点される
・契約・発注事務で同一職員が長期に担当しないよう人事配置する
・課長補佐に昇格する際、法令順守の誓約書を提出する
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