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可能性の研究報告が発表される!
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『AFP、TIME、CNN』などの英文メディアは、乳がんや肺がんの治療において、化学療法を受ける必要がなくなるかもしれないとする新研究が発表されたと伝えた。
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6月3日に、米シカゴで開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)において発表された年次報告によると、乳がんと肺がんの治療で、化学療法を使用しなくても治療ができる可能性を示した研究結果がそれぞれ発表されたという。
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乳がんについて調査を行ったのは、米国立がん研究所の委託で集まった米国内外の研究チームで、乳がんの製薬会社や遺伝子検査を行う企業への調査で得られた結果も含まれている。研究では、1万人以上の患者を対象にオンコタイプDXと呼ばれる腫瘍組織の発現検査を利用して、21種類のがんの「再発リスク」を0から100で数値化した。これまで25以上の数値に関しては再発防止のため、化学療法を適用しており、11から25についても念のため化学療法を取り入れるケースが多かった。
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今回研究者はこの11から25のスコアに注目し、手術とホルモン治療の他に化学療法を受ける患者と受けない患者とで半分に分けて調査が行われた。9年後の調査結果で、化学療法の有無にかかわらず94%の人が生存しており、どちらも84%はがんの再発も見られなかったため、化学療法の有無に差がないことがわかった。特に50歳以上で顕著な差が見られなかったという。
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また、米製薬会社のメルクが自社の免疫療法「キートルーダ」についての研究で、化学療法と比較して肺がんへの有用性を調べた。1274名の患者を対象に化学療法を受けた患者と、キートルーダだけの患者に分けて調査を行うと、化学療法の生存期間が12ヶ月程度であるのに対し、キートルーダを受けた患者は16ヶ月から20ヶ月程度と差が出た。
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化学療法は副作用が出ることもあり、患者の体に負担をかけることも多い。いずれの研究においても、その負担を減らす手助けになるかもしれないとしている。
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