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計画実現へ資金支援など明文化!
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日立製作所が英国で進める原発建設計画をめぐり、同国から提示された2兆円超の融資案などについて、近く英政府と覚書を交わす方向で調整していることが分かった。
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日立だけでなく将来の電力不足を懸念する英政府も、これまでの交渉でまとまった資金支援策を明文化し、計画実現につなげたいと考えているようだ。
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日立は2012年に買収した英原発子会社を通じ、20年から同国中西部のアングルシー島で原発2基を建設する計画。総事業費は当初見込みを大幅に上回る3兆円規模となる見通しで、日立は損失が発生した場合のリスクを軽減するため英政府に資金面の支援策などを求めてきた。
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これに対し、英政府は2兆円超の事業資金を英金融機関や同政府などが低利融資し、政府の債務保証も付ける支援策を提示。出資で賄う残り約9000億円の必要資金でも、英政府・企業が3分の1の約3000億円を拠出する検討に入っている。
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原発建設に要する巨額費用は、稼働後の電力販売で回収する計画。日立は2兆円超の低利融資に加え、英政府に十分な採算が取れる価格での電力買い取り保証を要請しており、なお調整を続けている。
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また日立は、建設工事が遅れて費用がさらに膨らむ事態に備え、事業費とは別枠でリスク対策資金約4500億円を確保する方針。計画遂行の確実性を高める狙いがあり、英側はうち約1500億円を負担する方向だ。
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