中国・民間債務がGDPの200%以上!

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日本のバブル期と同水準!
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米国と中国、米国と欧州の貿易戦争は、トランプ大統領の選挙戦の公約でもあり、目前に迫ってきた中間選挙で勝利するために、蒸し返したように取り上げ、世界の主要国に突きつけた要求である。

米国にとり最大の貿易赤字の原因国・中国に対し高関税で是正を迫り、この貿易戦争がマーケットのリスク要因として認識され始められているが、中国にとって要注意は貿易戦争だけでなく、国内経済のアキレス腱となりつつある中国民間企業の過剰債務問題も、意識しなければならないだろう。
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民間債務の合計がGDPの200%以上まで増加しており、日本のバブル期と同水準であることは以前から指摘されていた。
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中国政府が過剰債務の抑制策を強化する中、マーケットでは政府が上手くコントロールして何とかソフトランディングするだろうといった楽観論が中心となっている。
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しかし具体的に見ていくと超大手のコングロマリット企業でもかなり資金繰りに苦しんでいる様子が伺える。
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海航集団(HNAグループ)はM&Aを繰り返した結果、負債が13兆円まで増加している。多くの企業を傘下に持ち、ドイツ銀行やヒルトンの筆頭株主でもある。
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当 局が民間企業向け融資の抑制をはじめて以降、資金繰りが急激にひっ迫し、2018年1月~6月までに株式や不動産を1兆7000億円売却して資金ショートに備え始めた。同社の発行している2019年12月24日償還の社債(クーポン7.6%)の価格は先月90以下まで下落した。
S&Pは先日、同社が1年以内にデフォルトする確率を35%とコメントした。
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傘下の上場企業も2018年1月だけで7社が一時的に売買停止となりかなり異常な事態となった。マーケットが堅調であれば資産売却も問題なくできだろうが、足元はやや混乱状況にあり最悪は、「資産売却できず→資金ショート→銀行の不良債権問題発生→金融マーケットにショック」ということにもなりかねない。
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同じ中国の超大手・大連万達集団(ワンダーグループ)も豪州の不動産、英国の不動産開発プロジェクトの権益の一部、傘下の映画運営会社を既に売却し、米国の不動産の買い手を探している状況だ。
大連万達集団の王会長は2016年には個人資産で中国1位となっており、同社も1兆円規模の株式・不動産の売却計画を発表した。
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これは中国企業全体に共通する問題だ。
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ここまで信用創造が逆回転(レバレッジが縮小)するとショックは防げても、景気やマーケットにはかなり逆風となりそうです。
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中国の習近平国家主席は外交面では米国を意識した重層的な体制を敷いた。米国と独自のパイプを持つ盟友、王岐山氏を国家副主席に据え、共産党トップ25の政治局員には米国通の楊・前国務委員。

楊氏の後任に王毅外相を兼任で昇格させた。実務経験が豊富な3頭体制で対米関係を安定させつつ国際社会での影響力拡大を目指すとみられる。
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