自民党:総裁が強くなり・派閥が弱くなった!

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集金システムを派閥から党に集中させ!
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政党助成金で派閥が手も足も出せなくなった!
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石破茂・自民党元幹事長(発言録)に、「内閣人事局制度をやってみると、大臣を見ないで、官邸を見るようになった。官邸に気に入ってもらえるように言わなきゃというより、ご機嫌を損じたら明日私の席はありませんと。それは誰に仕えているのか。官僚は公僕だから公に仕えるという意識がだんだんマヒしてきたとしたら、国家は大変なことになる」、と。(TBSの番組収録で)
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民主党政権下で、政治の主導権を官僚から政治家へとアドバルーンを上げたが、結果は稚拙な政治家の惨敗という燦燦たる状況。第1次安倍政権は権力を官僚から取り上げる方策に出た。
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官僚から取り上げる下地は出来ていた。カネをコントロールする方法である。加えて官僚の人事権も取り上げることである。
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カネもポストも総裁が握ったとなれば、派閥が弱体化するのは当前だ。いまでは、国会の進捗を確認する情報収集の場としてのランチが、派閥の最大の効用なのだという。
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「実は派閥弱体化の端緒を開いたのは、90年代の政治制度改革ではなく、89年の小沢一郎幹事長です」
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毎日新聞で長く政治記者を務めた中村啓三氏の解説はズバリだ。

89年8月に発足した海部俊樹内閣の下で、47歳という若さで幹事長に就いた小沢は、政治資金集めのフローを大きく変えることに専心する。
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「リクルート事件や消費税導入で人気が凋落していた自民党が翌年に迫った総選挙に勝つには、カネに頼る以外にないと考えた小沢は、経団連に献金のとりまとめを要請するというそれまでの慣行を破りました。
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財閥など企業グループごとに直接、献金額の交渉を行っていったのだが、企業側は資本金で献金額の上限が定められていることを理由に大幅な増額に難色を示したが、子会社ごとに献金すれば全体でこの程度積みあがるはずだと譲らず、結果として、300億円の目標に対し、260億円程度の献金を党本部に集めたと言う。
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慌てたのは派閥だ。企業には派閥に献金する金はなく、派閥は盆暮れに配るモチ代にも事欠いたなかで、党本部から頭数に応じて資金援助がなされました」。
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いまでは政党助成金が最大の収入源だ。「自民党総裁は1人で党全体の6~7割の力を握っている」。中村氏によれば、幹事長時代の大平正芳はしばしばこう口にしたと言う。派閥全盛の時代に6~7割なら、いまの首相はいったい何割だろうか。
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安倍首相は、総理・総裁になれたから権力を握れたわけではない。現在、派閥が求心力を失っている大きな理由は、資金力の減退にある。豊富な政治資金がなければ、メンバーに対して選挙の際、あるいは日常的に十分な援助をすることができないし、メンバー相互の親睦を深める機会も貧弱なものになってしまう。手狭な事務所で我慢しなければならず、職員の数も削減を余儀なくされる。それどころか、派閥の活動にあたって、メンバーに負担を強いる機会も増える。いまや派閥に加入することは、必ずしも金銭的に魅力的ではなくなった。
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頼る話は、猟官問題である。派閥の長が大臣ポストを取れるのか次第で派閥の省長にも響いてくるのだ。その金を無制限に使用できるのが内閣官房費だ。昔言われていた言葉に、総理大臣室には5億の現金が用意されていると。今は、官房機密費なのだろう。私用先は、極右、極左、野党対策、派閥の長になど多種多様だ。
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安倍晋三の原点は、加入した議員連盟からも伺える。
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1993年8月成立の細川護煕政権、細川は、アジア・太平洋戦争について「私は侵略戦争であった、間違った戦争であったと認識している」と発言。自民党内の右翼勢力、靖国関係3協議会(「英霊にこたえる議員協議会」「遺家族議員協議会」「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」)が強く反発、「東京裁判に毒された歴史観を建て直し、正しい歴史観を確立」しようと発足したのが「歴史・検討委員会」で、この委員会に初当選(93年)したばかりの安倍氏が〝抜てき〟されて入る。
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この延長線上に、「新しい歴史教科書をつくる会」があり、1997年に結成された「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(略称「教科書議連」)である。安倍はその事務局長に就任。
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第3次安倍内閣には、97年当時の「教科書議連」から8人(安倍晋三、高市早苗、岸田文雄、下村博文、塩崎恭久、中谷元、山口俊一、菅義偉)の議員が入閣している。同じ97年には、日本会議と連携する「日本会議国会議員懇談会」が結成され、安倍氏は結成時から参加し中心となって活動している。
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これら議連や仲間にリーダーとして支えられ、今日の基礎をなしている。第3次安倍内閣の19閣僚中、80%が日本会議国会議員懇談会に参加している。日本会議は各種雑誌でも書いているように宗教系団体が構成員ともなっている。中心は神社本庁である。
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派閥横断の議連をバックに総裁選で派閥ボスを取り込み、政敵となる野党に対しては官房長官から対策費を使い、議連仲間には大臣ポストをと縦横に政界を引き付け、官僚に対しては人事権を行使する。
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今国会で問題になっている森友学園文書改ざんは「官邸が財務省でなく、経産省に抑えられ、消費税の実施すら伸ばされている中、財務省の地盤沈下を食い止めようと森友学園(日本会議のメンバー)が安倍昭恵を引っ張りだし、財務省近畿財務局に総理が後ろ盾と吹きまくった作戦にまんまと引っかかり、抜き差しならないところまで引き込まれ、野党やマスコミから追及されるに至り、佐川元局長国会での答弁にそった文書改ざんが行われたということ。
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官僚は思っている。政治主導というが、国会答弁の原稿も官僚が作成し、主要質問も原稿は官僚が作成する。首相や大臣とて、雇われマダムのようなものだ、、、。時期が来れば、役人の前から姿が消えていく。
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