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ソ連邦のような大国を懐かしむ国民!
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それを見越したプーチンの選挙戦略!
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共産2大国の政治は大忙しだ。13億人という大人口を抱える中国は毛沢東以来の任期制限撤廃で生涯主席でいられるという独裁国家をめざし、憲法改正に臨む。一方の大国ロシアは3月18日の大統領選に向けプーチンが選挙戦の最中だ。2008年の憲法改正により、大統領任期が「4年から6年」となったため、現在のプーチンの任期満了は2018年5月までとなる。現在のロシア憲法の規定では「3選禁止」のため就任できる上限は12年間だ。これからも長期を狙うなら、前回同様のメドヴェージェフか誰かを間に挟むという方法もある。ロシアには二匹目、三匹目のドジョウがいるようだ。2024年で終わりとは限らない。
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ロシアのプーチン大統領は、3月18日予定の大統領選にむけ選挙戦を展開している。立候補表明では、中部ニジニーノブゴロドの自動車工場で関係者に囲まれながら「ロシア大統領の候補者となる」と述べた。世論調査でプーチン氏の支持率は8割を超えており、有力な対抗馬もいないことから圧勝する公算が大きい。
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プーチンは00~08年に大統領を2期務めた後(当時は任期4年)、首相に転じ、12年の大統領選で3度目の当選。首相時代を挟み17年にわたって権力を握り続けている。
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ロシア憲法は大統領の連続3選を禁止。今年の大統領選で当選した場合、プーチンは連続2選となり、24年の大統領選は出馬できない。プーチン氏は、連続3選を可能にする憲法改正について「するつもりはない」と明言している。
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ロシア中央選挙管理委員会は、3月18日の大統領選の候補者について、8人で確定したと明らかにした。通算4選を目指すプーチン大統領(65)の勝利が確実視されている。
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2月初めまでに行われた最新の世論調査でも、プーチン大統領は70%以上の支持を得ていて、2位以下の候補を大きく引き離している。
当選の場合は3選目となり最後の任期は6年で2024年72歳まで権力を掌握することになる。
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この他の候補は、共産党のグルディニン氏(57)や極右・自由民主党のジリノフスキー党首(71)、プーチン氏の恩師の娘でテレビ司会者のサプチャク氏(36)ら。世論調査ではプーチン氏の支持率が約70%と他の候補を大きく引き離している。
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ロシアは14年3月18日にウクライナ南部クリミア半島の編入を宣言しており、節目の日の選挙で国民の愛国心をあおり、プーチン氏の圧勝につなげようとする政権の思惑がのぞく。愛国心を鼓舞しなければ現在のロシアの経済状況を含み、国民の不満を吸収できないと見ている向きが多い。プーチンも国民も、ロシアがどこへ向くのか見通しが立っていないことにも苛立ちが見える。
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その解決方法、小手先と言おうが、最たる表現方法が、3月1日にプーチン大統領が行った年次教書演説。40分もの時間を割いたのが様々な新型兵器でした。大スクリーンに映し出されたのは、核弾頭を搭載可能な無人潜水艦型兵器のCG。これは、原子力で巡航するというミサイルです。防空網を器用によけながら飛んでいく。
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「この新型兵器は世界中、どこでも到達可能だ」(プーチン大統領)
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そして、複数の弾頭を搭載できるサルマートというICBM=大陸間弾道ミサイル。このミサイルは、「南極周りでも飛べる」と説明。これには意味がある。
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「普通のミサイルはロシアから撃つと、北極を通ってアメリカに飛んでいく。アメリカのミサイル警戒網や迎撃システムは北側に向けてある。南側から(ミサイルが)飛んでくると、ノーマーク」。このサルマートに積める「極超音速ミサイル」だと言いう。
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「プーチン大統領が非常に重点を置いてきたのは、その速度でなおかつコースを変えながら飛ぶことによって、アメリカのミサイル防衛システムを突破するようなシステムなんだと。実際にそろそろ実戦配備が始まる可能性は高い」(未来工学研究所 小泉悠特別研究員)
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プーチン大統領は、「これらの兵器でアメリカなどのミサイル迎撃システムを無力化できる」と主張。紹介されたCG動画には、発射されたミサイルがトランプ大統領の別荘もあるアメリカ・フロリダ州とみられる場所に向かうシーンもあります。
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「アメリカへの核攻撃を描写したアニメーションを見たのは残念だ」(アメリカ国務省 ナウアート報道官)
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アメリカ政府は猛反発。ホワイトハウスの報道官は、「アメリカの防衛能力は現在もこれからも他の追随を許さない」と述べました。
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今回のロシアのアピールは、トランプ政権が2月に発表したNPR=「核体制見直し」の中で、ロシアなどの核兵器の近代化や増強に強い警戒感を示したことへの反発とみられています。
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「ロシアや同盟国に対する核兵器の使用はどんな攻撃でも報復する」(プーチン大統領)
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今月18日の大統領選で再選を目指すプーチン氏は、ロシアの軍事力を世界に誇示しつつ、強いリーダー像を改めて国民に印象づけた格好だ。
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