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更新は設置から19年と定めあり!
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新型信号機・小型LED式大阪府警が全国初設置!
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1基の更新・100~250万円!
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信号機の「頭脳部」と言われる信号制御機の老朽化が全国的な課題になっている。
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岐阜県は、更新基準を超えて使われている割合(老朽化率)が1.0%(昨年3月末時点)と全国で最も低い。県警は数年前から先駆けて対策を進め、県民の安全な交通確保に努めている。
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信号制御機は交差点近くに設置され、赤・青・黄の点灯をコントロールしている。老朽化すると、点灯が消えたり異常表示を起こしたりして、交通事故や渋滞につながりかねない。
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警察庁によると、更新は設置から「19年」と定められている。昨年3月末時点で、全国の信号制御機20万5705基のうち4万4662基(21.7%)が更新基準を超えているという。
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岐阜県は3256基のうち33基。東海3県では、愛知県が1万3154基のうち4415基(33.6%)、三重県は3220基のうち877基(27.2%)が基準を超えている。
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問題が注目され始めたのは、2012年の中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故以降。道路やトンネルなどのインフラの老朽化が取りざたされ、信号制御機も問題視されるようになった。
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県警交通規制課によると、岐阜県では、笹子トンネル事故以前の11年ごろから対策に着手。12年3月末時点で、更新基準を超えていたのは全体の約7%に当たる226基だった。全国的に見ても高い割合ではなかったが、老朽化率の上昇が見込まれることから、対策を始めたという。
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信号制御機1基の更新には100万~250万円の費用が必要とされる。県警では、更新費用を確保するため、車両感知器や押しボタンなどが必要な「半感応式信号機」を、廉価な信号機に変更。また、使用頻度を調査した上で交通情報板の一部を廃止したり、取り締まりの状況から高速走行抑止システムを全て撤去したりするなど、必要性の低い交通安全設備を見直した。
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同課は「今後も長期的な視点に立ち、継続的に取り組みたい」としている。
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薄くて軽い小型の発光ダイオード(LED)式信号機を警察庁が新たに開発し、大阪府警が全国で初めて大阪市鶴見区に設置した。ライトの直径は25cmで従来型LED式と比べて5cm短く、ひさしもない箱型。製造コストも1割ほど下がるという。
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府警交通規制課などによると、新たに開発された小型LED式は縦36cm、横105cm、厚さ6cmで重さは9.9kg。従来型の電球式(厚さ63・8cm、重さ24kg)やLED式(厚さ33.8cm、重さ16.1kg)より薄くて軽く、横幅は20cm縮まった。ライトは小さいがLEDの密度が高く従来型の明るさを保つ。消費電力は電球式の7分の1以下で、耐用年数は10倍以上に延びる。
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従来型LED式は平成6(1994)年から設置が進んだが、警察庁はよりコストを抑えた小型式の導入を検討。27(2015)年にさいたま市の公道で試験を行って交通に支障がないと判断し、全国に設置されることが決まった。更新時期を迎えた電球式から順次、切り替えられる。
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この日は鶴見区鶴見の交差点で、2年に設置された電球式7基が小型LED式に交換された。タクシー運転手の男性(45)は「見慣れた信号機より小さいが、ライトがくっきりして見やすい」と話した。
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兵庫県内で信号機の老朽化が進んでいる。「信号の心臓部」と言われ、色をコントロールする「信号制御機」の更新期限は設置から19年とされているが、2015年度末で全体の33・7%が期限が過ぎている。厳しい財政状況の中、十分な予算措置が取れないことが背景にある。警察庁によると、都道府県別で福島県の35・6%に次ぐ高い数値となっており、故障によるトラブルが懸念されている。(竜門和諒)
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兵庫県警交通規制課によると、2015年の1年間で老朽化による信号機の不具合が8件発生。信号が消える「滅灯」が5件、点滅信号に変わる「閃光(せんこう)」が2件、色が変化しなくなる「現示停止」が1件あった。この不具合による事故はなかったという。
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県内に設置されている信号制御機の数は15年度末現在、7252基。うち、2447基が更新期限が過ぎており、最も古いものは1986年製で、30年以上も使用され続けている。
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同課によると、信号制御機1基あたりの更新費用は、安いものでも約100万円。信号機や交通標識などの交通安全施設の整備費用は、16年度は約19億円で、06年度の約38億円の半分に削減されている。同課の担当者は「財政難などで予算が確保できず、更新に十分な費用が充てられない」とする。
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15年度に更新した制御機は115基にとどまっており、このペースで推移すると、更新期限切れの制御機は2026年度には65・1%に増加するという。
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一方、制御機以外にも、信号を支える柱の老朽化も進む。12年9月には神戸市中央区の交差点で、信号機が倒れ、停車中の乗用車に接触する事故があり、柱の老朽化が原因とみられている。
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柱の更新時期は設置からおおむね40年で、15年度末時点で14・4%が期限切れ。海に近い場所では潮風の影響を受けており、町中でも犬などのふん尿で内部の腐食が進むという。一見して変化が分かりにくいため、県警では打音検査などを実施し、異常の早期発見に努めている。
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また、更新の遅れは、新たな機能の導入にも影響する。視覚障害者が持つ白杖(はくじょう)に反応し、「赤です」「青になりました」などの音声案内が流れる「白杖センサー」もその一つだが、03~07年度に計10カ所で設置されたのを最後に整備が進んでいない。
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担当者は「新しい機能の追加は難しいのが現状。トラブルを防ぐためにも、まずは古い制御機を計画的に更新していかなければならない」としている。
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【神戸大学大学院工学研究科の井料隆雅教授(交通工学)の話】予算確保が難しい中、どの自治体も十分に整備が追い付いていないのが現状だ。大事なのは交通量が多く、危険度が高い場所など優先順位を決めて更新していくことだ。最近では、車両の通行域がドーナツ状になっている環状交差点など信号機を使わない運用も全国で始まっており、老朽化の心配がないメリットもある。
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大津市の県道(湖岸道路)と市道の交差点「島の関西」の信号機が点滅になってしまう異常問題で、この信号の異常が原因で2016年8月25日朝、軽傷の人身事故が起きていたことが分かった。信号が一瞬で変わり、車同士が出合い頭に衝突し、1人がねんざなどのけがをした。県は責任を認め、事故当事者2人に計152万円の損害賠償をする。
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この信号は2016年8月上旬から、南北方向が赤信号のまま変わらないなどの不具合が複数回あり、県警が業者と共に修理を進めていた。25日の事故では南北方向が青になった後すぐ赤に変わり、東西方向に直進の矢印が出たため、両方の車が交差点に進入したという。けがをしたのは大津市の女性。
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事故の原因になったと判明したこともあり、県警は老朽化と判断して今年3月に約1000万円をかけて信号を更新した。県警によると、信号機の更新目安は19年だが、事故時点で設置から約21年が経過していたという。
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また、更新後の現在も点滅に変わる異常が頻発しており、県警が18日に発表していた。いずれもオムロン(京都市)グループが製造元。
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信号機の更新が進むにつれ、電球のLED化だけでなく、形状も従来型と異なるものが登場している。
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信号機製造大手、コイト電工の持株会社であるKIホールディングス(横浜市戸塚区)によると、「薄い『フラット型』と呼ばれる車両用信号機は以前からあったが、コイトでは灯器のレンズ直径を従来よりも5cm小さい25cmとした小型のものを開発し、これが2017年6月に大阪市の交差点へ初めて設置されました」とのこと。警察庁がレンズ直径の標準仕様を30cmから25cmへと変更したことを受けて開発したものだ。「従来品よりも安価に抑えられていますので、今後も採用が増えていくでしょう」と話している。
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なお警察庁は2016年10月時点で、2020年度までに老朽化した信号機約4万3000基を更新していくという。
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